2018/11/12

二つの資産を働かせる

人は誰でも二つの資産を持っている。『人的資産』と『金融資産』である。

人的資産とは、お金を産み出す自分自身で金融資産とはお金を産み出す『預金』や『債券』そして『株式』である。伝統的なこれらの資産以外の資産をオルタナティブ資産と定義する。不動産投資信託(REIT)やコモディティなどである。

稼ぐ自分自身の現在価値としての人的資産は、年齢とともに稼ぐ時間が短くなるため逓減していく。よってそれを補うために金融資産に稼いでもらうことが大切である。どんなに働いて稼いだとしても税金や社会保険料で可処分所得(手取り)は、半分になるのに対して、資産運用で得た所得に対して税金は、一律20%である。

当社のお客さまも富裕層あるいは富裕層予備軍といえる皆さまであるが、年収が3000万円を超えている人は、少数で1億円を超えている人となると、さらに少数となる。当社のお客様の多くは年収もそれなりに高いのだが、それよりも長期投資で資産を長期で増やした結果、お金持ちになっている人が多いのだ。

雑感であるが人的資産(年収)だけでお金持ち(金融資産1億超)になるには、世帯年収で3000万円以上稼がないと難しいと感じる。(親から譲り受けた相続資産などは除く。)

年収がそれほど高くなくても人的資産で稼ぎ、税引き後のお金をしっかり長期投資で運用して増やしていくことで、人的資産と金融資産の両輪を働かせることが可能である。当社のお客さまには、『人的資産』と『金融資産』の両方を上手く働かせている方がたくさんいる。

事実、世界のお金持ちの多くは、年収が高くてお金持ちになったわけではなく、ビル・ゲイツやジェフ・べゾスや孫さん、柳井さんも、みんな自社株(株式)で資産を作ったのである。

世界のお金持ちを目指すのは無理かもしれないが、資産運用は、風邪をひいても骨折しても年老いても子どもでも実践することができるのだ。もちろんしっかりとしたアドバイザーは必要であるが。

典型的であるがスポーツ選手は、けがや病気で選手生命を大きく左右される非常にリスクの大きい職業である。だからこそ錦織やマー君や松山英樹などトップアスリートは巨額のお金を稼いでいるのであるが、彼らでさえも、いつまで今のレベルで稼げるのか分からない。どんな人でも人的資産は、年齢とともに逓減するからだ。あのイチローでさえも年齢からくる衰えは進み収入は全盛期から大きく下がっている。

一方で世界一の投資家バフェットは88歳で今もなお世界一の投資家として君臨している。彼は10歳で投資を始めて以来、死ぬまで投資を継続する決意であり、投資を始める10歳までは無駄な人生だったという名言もあるほどである。

もちろんバフェットは、例外ではあるが、生きている限り資産運用を継続することは誰にでもできるのだ。資産運用を継続しながら、お金が必要な時が来たらお金を取り崩していくという文化を少しでも定着させていきたいものだ。

2018/10/30

鈍感力

資産運用は、実に奥が深い。

資産運用を単純化することは不可能で、一生涯を費やして勉強したとしても、理解することは不可能なのかもしれない。投資は、サイエンスではなくアートだと言われる所以である。

さて日々、お客様とお会いしているが、マーケット状況の良し悪しに左右されないためには、確固たる運用戦略が必要である。運用戦略をもっていない人は、マーケットの変動に翻弄され感情に左右されてトレードして損失を膨らませてしまう。

マーケットに翻弄されないためには、確固たる運用戦略にあわせて、ある種の鈍感力のようなものが必要なのかもしれない。あまりに繊細すぎる人は、長期投資には不向きかもしれない。しかし私の経験上、繊細な人も価格変動に対して徐々に慣れてくるし、時間をかけて精神的にも強くなっていくものだ。

成功している人は、基本的に打たれ強い。打たれても打たれても諦めないで這い上がるからこそ、成功しているのだ。

短期的な株価の変動は、もちろん自分でコントロールできないことである。自分のやるべきことに集中していれば時間をかけてマーケットは落ち着き、下がった株価も上昇していくものである。下落局面において重要なことは、バタバタしないことである。

資産運用においても、常に勝利することは不可能である。いい年もあれば悪い年もあるわけで、トータルで勝利すればいい。6勝4敗のイメージでいいのだ。

長期投資においては、時にはいい意味での鈍感力が必要である。

2018/10/26

長期投資とは?

最近のマーケットの急落に関して、びっくりしている投資家もたくさんいると思う。特に投資経験の浅い方は不安になることも当然である。

長期投資を続けられない人は、このような急落局面で価格変動に簡単に屈してしまう。
ちなみに当社のお客様の多くは、気分は良くないものの、既にこのような相場は何度も経験済みで何とも思っていないという感じである。

長期投資は、このような価格変動を許容して、長期でインカム(配当、利息)を積み重ねていくことである。

長い人生において、いいことも悪いこともあることと同様にマーケットにおいてもさまざまな事件が起きるものだ。マーケットの価格変動こそがリスクであり、それ自体がリターンの源となる。

マーケットの下落局面は、経験豊富な投資家でも決して気分のいいものではないが、やがて慣れて耐性ができるのだ。マーケットは右肩上がりで上がり続けることはない。上がったり下がったり繰り返しながら長期的には成長していく。経済成長とともにマーケットは成長していくため、長期投資においては当初の運用方針を堅持することが大切である。

ただし個別銘柄に関しては、倒産という死があるため、必ずしも全ての個別銘柄が長期的に成長するとは限らない。会社には栄枯盛衰があり長期的に安全な個別銘柄というものは存在しない。インデックスファンドを使ってマーケットに投資をすること、インデックスファンドに勝てるアクティブファンドを活用することが必要である。インデックスとアクティブどちらがいいのか?という議論は不毛である。インデックスとアクティブの違いを理解し、臨機応変に活用することである。

当社はお客様のリスク許容度に応じた資産配分と優れた投資信託を選別することに重きを置いている。

書籍『ライフシフト』の影響で人生100年時代というフレーズを見聞きする機会が増えたように思う。健康寿命と同様に資産寿命をいかに伸ばしていくかは大きな課題である。

働いている期間に(収入ー支出)で余ったお金を金融市場でどのように効率的に運用するか?適切なアドバイスをすることが私たちの仕事である。

日々、多くの人にお会いするが、まだまだ長期投資の本質を理解している人は少数派である。行動ファイナンス理論にあるが、人間はとかくお金に関する意思決定において非合理的である。価格変動に翻弄されて、一喜一憂する投資家が多い。

長期投資における運用期間は、生きている限りである。マーケットの変動リスクを許容して、長期的に資産を成長させることが大切である。多くの日本の高齢者がしているように必要なお金を預金に置きっぱなしにするのではなく、しっかり運用しながら必要な金額を取り崩すということが大切である。

これまで同様に当社のお客様の長期投資をしっかりとサポートしていきたい。

2018/09/18

リーマンショックから10年

リーマンショックから約半年後の2009年3月10日にNYダウは、6500ドルまで暴落した。2018年9月17日のNYダウは、26000ドル。株価は、底値からちょうど4倍になったのだ。

2008年9月15日のことは、仕事柄、鮮明に記憶に残っている。

人生において世界が動いたと感じる瞬間は、何度かあると思うが、リーマンブラザーズの破たんはその一つだろう。

マーケットは、リーマン破たん後、まさに100年に一度の危機に陥り、瞬く間に世界経済を急速に悪化させた。

当時、私自身、独立してファイナンシャルアドバイザーとして活動して2年目であった。NYダウはリーマンショック前の高値14400ドルから翌2009年3月10日には6500ドルまで暴落した。当然、当社のビジネスにも大きな逆風が吹いた。今思えば、創業間もないベンチャーにとって最大のピンチだったかもしれないが、奇跡的に乗り越えることができた。同業で廃業した人をいっぱい知っているが、当社は生き残った。

そんなどん底の時期から、おつきあいさせていただいているお客様は特別で、今も仲良くさせていただいている。

さてリーマンショックによって震源地のアメリカではこれまで選挙に行かなかった低所得者層やマイノリティの票がオバマ大統領に流れ、黒人初の大統領を誕生させた。アメリカ国民は、オバマ大統領に熱狂したものの、リーマンショックの傷跡はあまりにも深く、これまで経験のない大規模な量的緩和策が長期間にわたって続けられた。個人的にオバマ大統領はアメリカの歴史に残る優れた大統領であると思うが、あまりにもアメリカ経済が疲弊していたこともあり、在任中の評価は決して高くなかったかもしれない。

アメリカのみならず欧州ではギリシャ危機が欧州全体に波及し、欧州債務危機に発展した。日本のデフレも深刻で日米欧先進国の経済は、リーマンショック以降、停滞することになった。

バーナンキ議長からハト派のイエレン議長にバトンが渡されても尚、ゼロ金利状態は続いたが、ようやく長く続いた危機にも出口が見えてきた。ゼロに張り付いていたFF金利も徐々に慎重にゆっくりと引き上げられ、日本や欧州に先行してアメリカは出口に向かっている。

アメリカ経済は少なくとも失業率や雇用統計、企業業績、消費の面でも面では回復に向かい、マーケットも2009年3月を底に大きく上昇してきた。

2016年にはブレグジッドとトランプ大統領誕生に世界が驚いたが、トランプの政策とは無関係にアメリカ経済は力強く一人勝ちの様相である。金融政策も正常化に向かっており、パウエルFRB議長は、来月にも追加利上げを発表することが濃厚である。長期金利も3%程度で推移している。

世界経済とりわけアメリカ経済は堅調であるが、トランプ大統領の中間選挙前のパフォーマンスによってマーケットは上値が抑えられている形である。アメリカが強気で中国に貿易戦争を仕掛けられるということは、ある意味でアメリカ経済に余裕があるからであるが、この好景気のサイクルがいつまで続くかは誰にも分からない。神のみぞ知るということであろう。

資産運用においては初心者ほど価格変動を気にして投資タイミングばかりを考えがちである。いつ買うべきか?いつ売るべきか?ばかり気にする。オリンピック前か後か?のようにイベントを気にする。オリンピックの前か後かなど正直、資産運用には全く関係ないのだが。

当社のお客様は、基本的に長期投資家である。時間を梃にして長期でしっかりお金を増やしていくことを考えている。価格変動ではなく、長期でインカムを積み重ねることを意識している。

少しずつであるが長期投資の輪が広がっており、この10年で当社のお客様の数もそれぞれの資産規模も大きくなっている。非常に厳しい10年であったが10年前の危機的な状況下で投資していただいた株式型投信の価値は概ね3倍になっている。正しいリスクをとっていれば一時的な値下がりがあったとしても、長期ではしっかりとリターンが生まれるのだ。

これからの10年もマーケットは安泰ということはあり得ないし、リーマンショックほどでないとしてもマーケットの調整局面は何度かあるだろう。リーマンショックの教訓であるがそのような局面で一喜一憂してはならない。むしろ長期的にはチャンスと捉えるべきである。

長期の視点で見れば今後も世界経済は、成長を続ける。20年後に世界のGDPは今の約2倍になるのだ。世界経済が成長すれば広義の意味のマーケット、世界株式は上昇していく。いい投資家はその本質を理解している。だから一喜一憂しないで安心して投資できるのだ。

リーマンショックは、個人的にも企業としても本当に厳しい経験であったが、あのショックを乗り越えたことで、当社は強くなったと感じている。しかし願わくは、本当に100年に一度の出来事であってほしいものだ。

2018/07/19

投資は、アートである!

お客様に『投資を学ぶ上でお薦めの本は?』と聞かれることがよくある。

私は、以下の3冊を読むことをお薦めしている。一応、読むべき順番に並べてみた。

1.『敗者のゲーム』チャールズ・エリス著 
2.『キャピタル驚異の資産運用会社』チャールズ・エリス著
3.『投資で一番大切な20の教え』ハワード・マークス著

この3冊をじっくり読めば、個人投資家に必要な基本的なことは全て学べるだろう。

ハワード・マークス著の『投資で一番大切な20の教え』の中で投資とアートについて、以下のように触れている。(本文から抜粋)

『投資は、経済学と同じく、科学よりもアートの要素が強い。つまり理路整然とはいかないのである。』

『投資は科学であるのと少なくとも同程度にアートでもある。だから決まった型にはめられると説くつもりはさらさらない。むしろ投資アプローチは固定化したり、機械的に当てはめたりするのではなく、直感的に決め、状況に応じて適応させていくことが肝要なのだと声を大にして言いたい。』

私もハワード・マークスの考え方に100%同意するが、流行りのロボアドバイザーなどに運用先を委ねることには大変違和感を覚えている。

さて投資は科学よりもむしろアートの要素が強いという考えには、私も納得するところだ。資産運用アドバイスを日々する中で、資産運用に向いている人とそうでない人がいることに気づいた。その中の一つであるが、美術や芸術、アートの世界に携わっている人は、資産運用をやってもとても上手い。

逆に以前にもどこかでお話ししたかもしれないが、意外にも弁護士さんは全く向いていない。もちろん当社のお客様の弁護士さんのように例外もいるのだが、これまで多くの弁護士さんにお会いした印象ではリスクを取りたがらない職業柄なのかリスク回避的な傾向があり、資産運用には全く不向きだと感じる。弁護士に必要な能力は、資産運用にはあまり役に立たないのかもしれない。

生前、公私にわたって親しくさせていただいた越川修身先生は、芸術家であり、経営者であったが、彼は資産運用も抜群に上手だった。不確実な未来において、環境変化に適応する能力が非常に高い人であった。おそらく芸術活動においても作品を制作する過程で不確実なことばかりで、数学や科学のような法則のない世界で生きていたため、資産運用に対しても最初から本質を理解していた。『敗者のゲーム』を読んで、資産運用の世界は、とても面白いと言っていた。

なかなか彼のような人は、いないのだが、多くの人が、不確実な未来に不安を持ち、リスクを回避して、長期的な利益を失っている。もしくは短期的な利益を追いかけて、とるべきでないリスクをとっている。個人の性格要素も大きく影響するのだが、いずれもいい投資家ではない。

いい投資家とは、いい芸術家のように、忍耐力があり、長期的な視点を持ち、環境の変化に対応することができる人である。当社のお客様に美大出身者が多いのは、偶然ではないと思う。

2018/07/17

意思決定スピ―ドと資産の相関

猛暑の中であるが、日々お客様と資産運用の打ち合わせを行っている。

彼是10年以上にわたって多くの人にお会いし、お話しする中で、投資で成功する人とそうでない人の違いがわかるようになってきた。

当社のお客様は、基本的に素晴らしい人たちばかりであるが、特に成功している人たちほど、仕事に集中して、自分の時間を大切にしていると感じる。そして自分自身の時間だけではなく、他の人の時間、例えば我々アドバイザーの時間も大切にしてくれるのである。

一方で冴えない人は、総じて意思決定が遅い。結論を先延ばししても何のメリットもないことに無駄に時間をかけて、忙しいという理由をつけて時間を浪費する。

こういうタイプの人は、仕事でも資産運用でも成功することはないだろう。本当に忙しい人は、意思決定も行動も早いため、やるべきことを先延ばしすることはなく、すぐにやるということを徹底している。もちろん単純にスピードが早いということではなく、意思決定の質も極めて高い。資産運用においても感情に任せた投機ではなく、リスクを理解したうえで必要なリスク(とるべきリスク)をとって、時間を最大限に使って長期的にリターンを生み出そうとしている。

いい投資家ほど時間の大切さを理解し、時間を味方につけるため、成功するのである。

私自身も、ファイナンシャルアドバイザーとして経営者として投資家として、日々様々な意思決定を行っているが、意思決定の時間も仕事も極めて早い。

そもそも結論を無駄に先伸ばしするようなことをやっていては成功などできるはずがない。日本のダメな組織にありがちなスピード感の欠如は、生存競争が激しくなった今、致命的であるが、組織だけではなく個人も同様に意思決定が大変重要になってきた。

変化に対応できない個人は確実に競争から取り残されて、格差は今後ますます拡大する可能性が高い。人生において個人も、しっかりと意思決定して、決定した方向で最大限努力して、結果を出していくことが大切である。

本当に興味深いことに当社のお客様を見ていると、運用金額が大きい人ほど意思決定が早く、運用金額が小さい人ほど優柔不断で意思決定に時間をかけて、結論を先延ばしする傾向があるのだ。事実、当社でも億単位で運用しているお客様もたくさんいらっしゃるが、あきらかに1000万円運用する人よりも意思決定スピードが早い。

成功している人は、人生において、必要な意思決定をスピード感をもって適切に行ってきたからこそ、結果として資産が大きくなったということも言えるだろう。

2018/06/12

三大失幣とは?

私は、ファイナンシャルプランナーとして2008年から大手広告代理店にてお金に関するセミナーを行ったり、皆様のさまざまなお金の相談に日々対面で対応してきた。毎週のようにお客様にお会いし、アドバイスをして、早いもので今年で11年目である。おそらく私ほど多くの人にお金に関するアドバイスをしてきた人は、いないのではないかと最近、思っている。

そんな経験から、なぜ同じ会社に勤務しながらお金が貯まる人と貯まらない人がいるのか?私なりに考えてきた。そして多くの皆さんをコンサルティングしてきたリアルな経験からさまざまなことを学んだ。資産形成において、もちろん収入が高いにこしたことはないのだが、収入が高くてもお金が貯まらない人が実に多いことを私はリアルに見てきた。

これは机上の話ではなく11年間に及ぶファイナンシャルアドバイスの経験に基づいた話であり、多くの皆さんにとっても参考になると感じている。

さて健康における三大疾病とは、がんと心筋梗塞と脳梗塞であることはご存知の通りである。私はパーソナルファイナンスにおいて、お金が貯まらない人の3つの特徴を発見し、『三大失幣』と命名した。貨幣を失う3つの要因を以下に一つずつ解説してみたい。なお画像のデザインは、当社のお客様が作成してくれたものである。

その1.お酒

もちろんお酒を飲む人が決して悪いわけではない。私も大好きであるが、お酒にはいいお酒と悪いお酒があるのだ。いい金利上昇と悪い金利上昇があることと同様である。お酒の飲みすぎは、長期的に健康を害するリスクがあるし、健康を害するとその人の人的資産価値を低減させる可能性が高い。もちろん二日酔いではいいパフォーマンスを発揮することは困難である。短期的にも飲み代自体が資産形成を妨げるし、深夜のタクシー代など余計なコストがかかってしまう。一部のそれなりに成功している経営者のように例外はあるものの一般的に会社員で資産形成が上手くいっている人は、お酒を飲まない人もしくはお酒との付き合い方がとても上手な人である。

その2.生命保険

ご存知のように長らく続くゼロ金利もしくはマイナス金利の現状において個人は利息の付かない預金を何とか安全に運用できないかと考えるのはごく自然なことである。将来不安もあり長期に大きな金額を預金に置いておくことは、インフレに負けて実質的な価値が下がるためなんとかしないといけないと考えるところまでは正しい。

ただし生命保険を資産形成のツールとして使うことは、コスト的な観点そして流動性の観点からもあまりいい選択肢とは言えない。そもそも生命保険は、万一の場合の死亡保障がついているため資産運用には不向きである。保険会社に勤務している人もあまり理解していないところが、実に残念であるが、多くの人が生命保険を使って資産運用を行っているつもりなのだ。生命保険と投資信託のことを深く理解している私がはっきり言うが、生命保険による資産運用は非効率である。本当にお金を殖やしたいのであれば個人投資家は、投資信託というツールを活用すべきである。

ただし国内に6000本の投資信託があるが、いいものは実に少ない。いい投資信託を長く保有することが大切であり、生命保険料の払い過ぎには注意が必要である。
生命保険で貯蓄の代わりに高額の保険料を払っている人は、ほぼ例外なくお金が貯まっていない。お金を貯めるには、いい投資信託を活用することである。

3.マンション投資

それなりに年収が高い会社員のところ(借金がしやすいから)に節税をうたい文句にワンルームマンションを販売する業者が群がっている。一見、減価償却によって税金が安くなるものの、私から見ればハイリスク、ローリターンもしくはノーリターンの無謀な投資にしか見えない。そもそも成熟した日本社会においてワンルームマンションに輝く未来があるとは思えないし、減価償却によって節税できることを魔法のように思っている人が多いが、なぜ減価償却できるかというとマンションが経年劣化するからであり、減価償却費はリアルなコストと考えるべきである。また不要な多額の借金を抱えることによって、将来の金利上昇リスクもある。当たり前であるが、新築であっても30年後には築30年のマンションである。人口が減少する日本で果たして本当に家賃が入ってくるのだろうか。キャピタルゲイン(値上がり益)もインカムゲイン(家賃収入)もあまり期待できない。個人的には、マンション投資は、不動産業者と銀行が喜んでいるだけのような気がしてならない。最近、私のもとにはマンションを手放したいという相談がひっきりなしに来ているというのが現状である。安易な節税目的のマンション投資には、十分気をつけてほしい。

最近お会いした40代前半の女性は、社会人になってからせっせと貯金し、自力で貯めた預金は、1億円を超えた。年収は1400万円(手取り960万円程度)で年間約800万円預金しているそうだ。ご主人の給料で住宅費や生活費などを支払っているものの、お子さんもいてこれだけ自力で貯めている会社員の方に私は、初めてお会いした。私も見習いたいものである。

彼女が『中浜さん、私は三大失幣のどれにも該当していません(笑)』とおっしゃっていたのが印象的であった。彼女がこれから、その預金をしっかり運用していけば本当に凄いことになるだろう。当社のお客様の多くは、一言でいうと成功者である。
資産運用で成功する人=しっかりと貯蓄ができる人 といっても過言ではない。

貯蓄ができない人の多くは、三大失幣のうち2つもしくは3つに該当しているケースが多い。3つに該当すると残念であるが、アドバイスは厳しい。

それからもう一つ。これからの時代は、専業主婦のご家庭は、資産形成には非常に不利かもしれない。よほどご主人の年収が高いのであれば別として、夫婦で稼げるほうが圧倒的に有利であることは間違いない。もちろんお金のためだけではなく女性が子育てしながら生き生きと働ける環境作りが大切である。

世界一の投資家ウォーレンバフェットも『お酒と借金に気をつけろ』と言っている。マンション投資は、いい借金とは言えないので、バフェットは三大失幣のうち二つに気をつけろといっている。バフェット自身は、保険会社を経営(投資)をしているが、生命保険で資産運用をすることは決してないだろう。


二つの資産を働かせる

人は誰でも二つの資産を持っている。『人的資産』と『金融資産』である。 人的資産とは、お金を産み出す自分自身で金融資産とはお金を産み出す『預金』や『債券』そして『株式』である。伝統的なこれらの資産以外の資産をオルタナティブ資産と定義する。不動産投資信託(REIT)やコモディティ...