2019/01/16

ファイナンシャルアドバイザーとして

先週、『ボヘミアン・ラブソディ』を見たら、クイーンが聞きたくなってグーグルホームを購入した。テクノロジーの進化に驚く毎日であるがファイナンシャルアドバイザーとして最近、感じていることを書いてみたい。

2007年にファイナンシャルアドバイザーとして独立して以来、今日までお客様の資産運用をサポートしてきた。この12年は、長期投資という観点から見ても決して平坦な道ではなかった。

特に100年に一度の金融危機2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災、そして欧州債務危機に市場は翻弄された。考えてみれば実に厳しい12年だった。そんな時代をともに乗り越えてきた全てのお客様に対して、感謝の気持でいっぱいである。

2019年1月現在の世界経済も決して安泰とは言えない状況である。米中貿易摩擦に代表される米中の覇権争いは、激しさを増している。しかしながら5年後10年後もデコボコはありながらも世界経済は成長を続ける。今後も世界経済が成長するという大きな趨勢に変化はなくマーケットは成長を続けるのである。

さて私自身ファイナンシャルアドバイザーという仕事のおかげでお客様とアドバイザーという関係以上の素晴らしい方々にお会いできたことは、私の人生において大きな財産となっている。もちろんお客様の大切なご資産をお預かりする仕事は簡単な仕事ではないが、年齢、性別、職業、国籍に関係なく素晴らしい皆様にお会いできることは、とても幸せなことである。

基本的に私には定年も転勤もない。健康でいられる限り、あるいはお客様から担当変更の申し出がない限り、一生涯にわたってお客様を担当させていただくつもりである。

若い時は、ビジネスで成功して大金を手にして、仕事はやめて世界を旅しようなどと思っていたが今は違う。お客様の資産を守ることが私のミッションであり、責任である。人生をかけてこの仕事を続けていきたいと考えている。

お客様とマーケットとしっかり向き合いつつも、自分自身も人生を楽しみたい。公私を区別するのではなく必要な時に働き、遊ぶときは遊び、休みが必要な時にはしっかり休むように自分自身をマネジメントしていきたいものだ。

そのためには、一にも二にも健康が大切である。私自身、30代半ばに大病をして生死をさまよった嬉しくない経験がある。間違いなく人生最大のピンチであったがそこを乗り越えたおかげで今の自分があると考えている。ファイナンシャルアドバイザーとしてお客様を長く担当するためには自分自身が健康でなければならない。もちろんゴルフをするにも釣りをするにも旅をするにもお酒を飲むにも健康でなければ楽しくないのだ。

超一流のスポーツ選手が自己管理を徹底しているように、アドバイザーとして自己管理は欠かせない。

最近は若いお客さんも増えて『中浜さんが死んだらどうするんですか?』と聞かれることも多くなった。当たり前であるが、お客様をサポートするために若いアドバイザーの育成も必要である。個人として頑張るだけではなく、サービスを次世代にバトンタッチしていかなければならない。まだまだやるべきことがたくさんあるのだが、優先順位を間違わないようにコツコツと一歩一歩進むしかないと思う。

さて長期投資を成功させるということは、そんなに簡単なことではない。マーケットは右肩上がりではないし、少なくとも短期的な動きはランダムで思うようには動かない。時間が必要だし、じっと我慢する忍耐力が必要である。もし簡単だったら誰でも成功できるわけで、簡単ではないからこそ、成功した時のリターンが大きくなるのだ。何事においても成功するためにはリスクをとることが欠かせない。リスクをとらない人にリターンはないのだ。長期投資においてとるべきリスクをとる人を一人でも多く増やしていくことが、現時点で私の考える最善の投資教育である。

2019/01/09

下落局面における心構え

昨年末から現在に至るマーケットの急落は、全ての投資家にとって非常に厳しい局面である。

残念であるが、長期投資においてこのような局面を避けることは不可能であり、長期投資家は、今こそ『忍耐』を発揮しなければならない。これまでのところ、リーマンショック(世界金融危機)ほどの厳しさではないものの2000年初頭のITバブル時に匹敵する大きな下げとなっている。特にこの10年の世界経済をけん引してきたハイテク株の下げは大きく世界一の時価総額を維持してきたアップルは、米中貿易摩擦や中国市場の減速によって株価が急落し、昨日時点で時価総額トップをアマゾンに譲り、世界4位に後退している。

アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブック、テンセントなど近年、急ピッチで上昇してきたハイテク株が売られ、これらの企業の寄与度が高い世界株価指数の下落は投資家心理を悪化させ、好調な企業の株価も押し下げ、マーケット全体に波及した。

もちろんトランプリスクも甚大で投資家心理を悪化させているのだが、本質的にはここ数年のハイテク株の値上がりは急ピッチであった。きっかけはトランプかもしれないが、株価が上がりすぎた反動による下落という面が大きいのではないか。

GAFAに関しては現代の東インド会社のごとく巨大化しており、この先もまだ成長は続くことは間違いないが、『天まで伸びる木はない』わけで、ファンダメンタルズに見合った健全な株価に落ちついていくと考えている。

さて、さまざまな要因によってマーケットは大きく下落したわけであるが、今回のマーケットの下落が好調であった実体経済に水をさし悪化させる可能性は否定できない。

世界経済はピークを過ぎ、徐々に減速する可能性が高いため、マーケットが大きく反発していくような雰囲気ではない。ただし経済というものは、いい時と悪い時をいったり来たりするわけで、常に安定するということはありえない。

今後の推移は誰にも分からないのであるが、このような局面で個人投資家に必要な心構えについて最近読んだ書籍から紹介したい。

『市場サイクルを極める』ハワード・マークス著から抜粋

『下落しはじめたあとで市場から撤退すること(したがって、反騰後の市場に参加できなくなること)は、まさしく投資における大罪なのである。

サイクルが下降局面にあるときに評価損を計上すること自体は、恩恵が生じる上昇局面に転じてからも保持し続けるかぎりは、致命的ではない。

本当に悲惨なのは、底値で売り、下降局面での下げを損失として確定させてしまうことである。サイクルを理解し、その変動を乗り切るために必要な精神的、金銭的強さを身につけることが、投資を成功に導く上で欠かせない要素なのである。』

以前、当ブログでも紹介した『投資で一番大切な20の教え』の著者ハワード・マークスの新著で内容的にはかなり上級者向けの本で読み解くのは簡単ではない。

特に彼が重視する市場サイクルについて掘り下げており、我々が生きている世界にはサイクルが存在し、物事は上昇と下降、成長と衰退を繰り返す。経済、市場、企業も例外はなく必ず浮き沈みがある。我々が生きている世界にサイクルがある根本的な原因は、人間がかかわっているためである。人がかかわれば、結果は変化と浮き沈みに富んだものとなる。それは人が落ち着きのある冷静な生き物ではなく、感情的で一過性のない生き物だからと論じている。

長期投資を成功させるためには『人間が一過性のない生き物である』ことを認識した上で、浮き沈みのある市場サイクルの中で感情を一定に保つことが大切だとあらためて感じた。

2018/11/12

二つの資産を働かせる

人は誰でも二つの資産を持っている。『人的資産』と『金融資産』である。

人的資産とは、お金を産み出す自分自身で金融資産とはお金を産み出す『預金』や『債券』そして『株式』である。伝統的なこれらの資産以外の資産をオルタナティブ資産と定義する。不動産投資信託(REIT)やコモディティなどである。

稼ぐ自分自身の現在価値としての人的資産は、年齢とともに稼ぐ時間が短くなるため逓減していく。よってそれを補うために金融資産に稼いでもらうことが大切である。どんなに働いて稼いだとしても税金や社会保険料で可処分所得(手取り)は、半分になるのに対して、資産運用で得た所得に対して税金は、一律20%である。

当社のお客さまも富裕層あるいは富裕層予備軍といえる皆さまであるが、年収が3000万円を超えている人は、少数で1億円を超えている人となると、さらに少数となる。当社のお客様の多くは年収もそれなりに高いのだが、それよりも長期投資で資産を長期で増やした結果、お金持ちになっている人が多いのだ。

雑感であるが人的資産(年収)だけでお金持ち(金融資産1億超)になるには、世帯年収で3000万円以上稼がないと難しいと感じる。(親から譲り受けた相続資産などは除く。)

年収がそれほど高くなくても人的資産で稼ぎ、税引き後のお金をしっかり長期投資で運用して増やしていくことで、人的資産と金融資産の両輪を働かせることが可能である。当社のお客さまには、『人的資産』と『金融資産』の両方を上手く働かせている方がたくさんいる。

事実、世界のお金持ちの多くは、年収が高くてお金持ちになったわけではなく、ビル・ゲイツやジェフ・べゾスや孫さん、柳井さんも、みんな自社株(株式)で資産を作ったのである。

世界のお金持ちを目指すのは無理かもしれないが、資産運用は、風邪をひいても骨折しても年老いても子どもでも実践することができるのだ。もちろんしっかりとしたアドバイザーは必要であるが。

典型的であるがスポーツ選手は、けがや病気で選手生命を大きく左右される非常にリスクの大きい職業である。だからこそ錦織やマー君や松山英樹などトップアスリートは巨額のお金を稼いでいるのであるが、彼らでさえも、いつまで今のレベルで稼げるのか分からない。どんな人でも人的資産は、年齢とともに逓減するからだ。あのイチローでさえも年齢からくる衰えは進み収入は全盛期から大きく下がっている。

一方で世界一の投資家バフェットは88歳で今もなお世界一の投資家として君臨している。彼は10歳で投資を始めて以来、死ぬまで投資を継続する決意であり、投資を始める10歳までは無駄な人生だったという名言もあるほどである。

もちろんバフェットは、例外ではあるが、生きている限り資産運用を継続することは誰にでもできるのだ。資産運用を継続しながら、お金が必要な時が来たらお金を取り崩していくという文化を少しでも定着させていきたいものだ。

2018/10/30

鈍感力

資産運用は、実に奥が深い。

資産運用を単純化することは不可能で、一生涯を費やして勉強したとしても、理解することは不可能なのかもしれない。投資は、サイエンスではなくアートだと言われる所以である。

さて日々、お客様とお会いしているが、マーケット状況の良し悪しに左右されないためには、確固たる運用戦略が必要である。運用戦略をもっていない人は、マーケットの変動に翻弄され感情に左右されてトレードして損失を膨らませてしまう。

マーケットに翻弄されないためには、確固たる運用戦略にあわせて、ある種の鈍感力のようなものが必要なのかもしれない。あまりに繊細すぎる人は、長期投資には不向きかもしれない。しかし私の経験上、繊細な人も価格変動に対して徐々に慣れてくるし、時間をかけて精神的にも強くなっていくものだ。

成功している人は、基本的に打たれ強い。打たれても打たれても諦めないで這い上がるからこそ、成功しているのだ。

短期的な株価の変動は、もちろん自分でコントロールできないことである。自分のやるべきことに集中していれば時間をかけてマーケットは落ち着き、下がった株価も上昇していくものである。下落局面において重要なことは、バタバタしないことである。

資産運用においても、常に勝利することは不可能である。いい年もあれば悪い年もあるわけで、トータルで勝利すればいい。6勝4敗のイメージでいいのだ。

長期投資においては、時にはいい意味での鈍感力が必要である。

2018/10/26

長期投資とは?

最近のマーケットの急落に関して、びっくりしている投資家もたくさんいると思う。特に投資経験の浅い方は不安になることも当然である。

長期投資を続けられない人は、このような急落局面で価格変動に簡単に屈してしまう。
ちなみに当社のお客様の多くは、気分は良くないものの、既にこのような相場は何度も経験済みで何とも思っていないという感じである。

長期投資は、このような価格変動を許容して、長期でインカム(配当、利息)を積み重ねていくことである。

長い人生において、いいことも悪いこともあることと同様にマーケットにおいてもさまざまな事件が起きるものだ。マーケットの価格変動こそがリスクであり、それ自体がリターンの源となる。

マーケットの下落局面は、経験豊富な投資家でも決して気分のいいものではないが、やがて慣れて耐性ができるのだ。マーケットは右肩上がりで上がり続けることはない。上がったり下がったり繰り返しながら長期的には成長していく。経済成長とともにマーケットは成長していくため、長期投資においては当初の運用方針を堅持することが大切である。

ただし個別銘柄に関しては、倒産という死があるため、必ずしも全ての個別銘柄が長期的に成長するとは限らない。会社には栄枯盛衰があり長期的に安全な個別銘柄というものは存在しない。インデックスファンドを使ってマーケットに投資をすること、インデックスファンドに勝てるアクティブファンドを活用することが必要である。インデックスとアクティブどちらがいいのか?という議論は不毛である。インデックスとアクティブの違いを理解し、臨機応変に活用することである。

当社はお客様のリスク許容度に応じた資産配分と優れた投資信託を選別することに重きを置いている。

書籍『ライフシフト』の影響で人生100年時代というフレーズを見聞きする機会が増えたように思う。健康寿命と同様に資産寿命をいかに伸ばしていくかは大きな課題である。

働いている期間に(収入ー支出)で余ったお金を金融市場でどのように効率的に運用するか?適切なアドバイスをすることが私たちの仕事である。

日々、多くの人にお会いするが、まだまだ長期投資の本質を理解している人は少数派である。行動ファイナンス理論にあるが、人間はとかくお金に関する意思決定において非合理的である。価格変動に翻弄されて、一喜一憂する投資家が多い。

長期投資における運用期間は、生きている限りである。マーケットの変動リスクを許容して、長期的に資産を成長させることが大切である。多くの日本の高齢者がしているように必要なお金を預金に置きっぱなしにするのではなく、しっかり運用しながら必要な金額を取り崩すということが大切である。

これまで同様に当社のお客様の長期投資をしっかりとサポートしていきたい。

2018/09/18

リーマンショックから10年

リーマンショックから約半年後の2009年3月10日にNYダウは、6500ドルまで暴落した。2018年9月17日のNYダウは、26000ドル。株価は、底値からちょうど4倍になったのだ。

2008年9月15日のことは、仕事柄、鮮明に記憶に残っている。

人生において世界が動いたと感じる瞬間は、何度かあると思うが、リーマンブラザーズの破たんはその一つだろう。

マーケットは、リーマン破たん後、まさに100年に一度の危機に陥り、瞬く間に世界経済を急速に悪化させた。

当時、私自身、独立してファイナンシャルアドバイザーとして活動して2年目であった。NYダウはリーマンショック前の高値14400ドルから翌2009年3月10日には6500ドルまで暴落した。当然、当社のビジネスにも大きな逆風が吹いた。今思えば、創業間もないベンチャーにとって最大のピンチだったかもしれないが、奇跡的に乗り越えることができた。同業で廃業した人をいっぱい知っているが、当社は生き残った。

そんなどん底の時期から、おつきあいさせていただいているお客様は特別で、今も仲良くさせていただいている。

さてリーマンショックによって震源地のアメリカではこれまで選挙に行かなかった低所得者層やマイノリティの票がオバマ大統領に流れ、黒人初の大統領を誕生させた。アメリカ国民は、オバマ大統領に熱狂したものの、リーマンショックの傷跡はあまりにも深く、これまで経験のない大規模な量的緩和策が長期間にわたって続けられた。個人的にオバマ大統領はアメリカの歴史に残る優れた大統領であると思うが、あまりにもアメリカ経済が疲弊していたこともあり、在任中の評価は決して高くなかったかもしれない。

アメリカのみならず欧州ではギリシャ危機が欧州全体に波及し、欧州債務危機に発展した。日本のデフレも深刻で日米欧先進国の経済は、リーマンショック以降、停滞することになった。

バーナンキ議長からハト派のイエレン議長にバトンが渡されても尚、ゼロ金利状態は続いたが、ようやく長く続いた危機にも出口が見えてきた。ゼロに張り付いていたFF金利も徐々に慎重にゆっくりと引き上げられ、日本や欧州に先行してアメリカは出口に向かっている。

アメリカ経済は少なくとも失業率や雇用統計、企業業績、消費の面でも面では回復に向かい、マーケットも2009年3月を底に大きく上昇してきた。

2016年にはブレグジッドとトランプ大統領誕生に世界が驚いたが、トランプの政策とは無関係にアメリカ経済は力強く一人勝ちの様相である。金融政策も正常化に向かっており、パウエルFRB議長は、来月にも追加利上げを発表することが濃厚である。長期金利も3%程度で推移している。

世界経済とりわけアメリカ経済は堅調であるが、トランプ大統領の中間選挙前のパフォーマンスによってマーケットは上値が抑えられている形である。アメリカが強気で中国に貿易戦争を仕掛けられるということは、ある意味でアメリカ経済に余裕があるからであるが、この好景気のサイクルがいつまで続くかは誰にも分からない。神のみぞ知るということであろう。

資産運用においては初心者ほど価格変動を気にして投資タイミングばかりを考えがちである。いつ買うべきか?いつ売るべきか?ばかり気にする。オリンピック前か後か?のようにイベントを気にする。オリンピックの前か後かなど正直、資産運用には全く関係ないのだが。

当社のお客様は、基本的に長期投資家である。時間を梃にして長期でしっかりお金を増やしていくことを考えている。価格変動ではなく、長期でインカムを積み重ねることを意識している。

少しずつであるが長期投資の輪が広がっており、この10年で当社のお客様の数もそれぞれの資産規模も大きくなっている。非常に厳しい10年であったが10年前の危機的な状況下で投資していただいた株式型投信の価値は概ね3倍になっている。正しいリスクをとっていれば一時的な値下がりがあったとしても、長期ではしっかりとリターンが生まれるのだ。

これからの10年もマーケットは安泰ということはあり得ないし、リーマンショックほどでないとしてもマーケットの調整局面は何度かあるだろう。リーマンショックの教訓であるがそのような局面で一喜一憂してはならない。むしろ長期的にはチャンスと捉えるべきである。

長期の視点で見れば今後も世界経済は、成長を続ける。20年後に世界のGDPは今の約2倍になるのだ。世界経済が成長すれば広義の意味のマーケット、世界株式は上昇していく。いい投資家はその本質を理解している。だから一喜一憂しないで安心して投資できるのだ。

リーマンショックは、個人的にも企業としても本当に厳しい経験であったが、あのショックを乗り越えたことで、当社は強くなったと感じている。しかし願わくは、本当に100年に一度の出来事であってほしいものだ。

2018/07/19

投資は、アートである!

お客様に『投資を学ぶ上でお薦めの本は?』と聞かれることがよくある。

私は、以下の3冊を読むことをお薦めしている。一応、読むべき順番に並べてみた。

1.『敗者のゲーム』チャールズ・エリス著 
2.『キャピタル驚異の資産運用会社』チャールズ・エリス著
3.『投資で一番大切な20の教え』ハワード・マークス著

この3冊をじっくり読めば、個人投資家に必要な基本的なことは全て学べるだろう。

ハワード・マークス著の『投資で一番大切な20の教え』の中で投資とアートについて、以下のように触れている。(本文から抜粋)

『投資は、経済学と同じく、科学よりもアートの要素が強い。つまり理路整然とはいかないのである。』

『投資は科学であるのと少なくとも同程度にアートでもある。だから決まった型にはめられると説くつもりはさらさらない。むしろ投資アプローチは固定化したり、機械的に当てはめたりするのではなく、直感的に決め、状況に応じて適応させていくことが肝要なのだと声を大にして言いたい。』

私もハワード・マークスの考え方に100%同意するが、流行りのロボアドバイザーなどに運用先を委ねることには大変違和感を覚えている。

さて投資は科学よりもむしろアートの要素が強いという考えには、私も納得するところだ。資産運用アドバイスを日々する中で、資産運用に向いている人とそうでない人がいることに気づいた。その中の一つであるが、美術や芸術、アートの世界に携わっている人は、資産運用をやってもとても上手い。

逆に以前にもどこかでお話ししたかもしれないが、意外にも弁護士さんは全く向いていない。もちろん当社のお客様の弁護士さんのように例外もいるのだが、これまで多くの弁護士さんにお会いした印象ではリスクを取りたがらない職業柄なのかリスク回避的な傾向があり、資産運用には全く不向きだと感じる。弁護士に必要な能力は、資産運用にはあまり役に立たないのかもしれない。

生前、公私にわたって親しくさせていただいた越川修身先生は、芸術家であり、経営者であったが、彼は資産運用も抜群に上手だった。不確実な未来において、環境変化に適応する能力が非常に高い人であった。おそらく芸術活動においても作品を制作する過程で不確実なことばかりで、数学や科学のような法則のない世界で生きていたため、資産運用に対しても最初から本質を理解していた。『敗者のゲーム』を読んで、資産運用の世界は、とても面白いと言っていた。

なかなか彼のような人は、いないのだが、多くの人が、不確実な未来に不安を持ち、リスクを回避して、長期的な利益を失っている。もしくは短期的な利益を追いかけて、とるべきでないリスクをとっている。個人の性格要素も大きく影響するのだが、いずれもいい投資家ではない。

いい投資家とは、いい芸術家のように、忍耐力があり、長期的な視点を持ち、環境の変化に対応することができる人である。当社のお客様に美大出身者が多いのは、偶然ではないと思う。

ファイナンシャルアドバイザーとして

先週、『ボヘミアン・ラブソディ』を見たら、クイーンが聞きたくなってグーグルホームを購入した。テクノロジーの進化に驚く毎日であるがファイナンシャルアドバイザーとして最近、感じていることを書いてみたい。 2007年にファイナンシャルアドバイザーとして独立して以来、今日までお客様の...