2018/02/14

緊迫感なきマーケット

アメリカの株価急落から世界の株式市場に動揺が広がり、未だ落ち着かない状況であるが、マーケットには緊迫感が感じられず、危機的な状況からは程遠い。私自身、急落直後は何で下がっているのか?誰が売っているのか?理解できず、気持ち悪さもあったが、1週間情報収集し、
以下のような結論に至りつつある。

つまり今回の株価急落は、リーマン・ショックのような金融危機ではなく、急ピッチで上がった株が急落し、ただ落ち着きどころを探りながら乱高下しているということ。

週明けのアメリカ市場もやや落ち着きを取り戻し、日本市場もその流れを受けている。

世界経済は引き続き力強く、今回の世界的な株価下落は、さほど深刻なものではなく短期的な調整に終わる可能性が高くなったと感じている。大きく上昇していくような相場ではないが、落ち着きを取り戻し、実体経済の好調が再確認できれば、しっかりとした相場になっていく可能性は高い。

何度も言うが、世界経済は今後も成長していくわけで、世界株は、中長期的に上昇を続けていくのだ。

よって中長期な視点で見れば長期投資家にとって今回の株価急落は、良い調整であったという結果になりそうだ。

確かに昨年末から2018年1月にかけて世界株式の上昇は急ピッチであった。昨年10月頃から今年にかけて資産運用を開始した方は、今回の下落にびっくりしたと思うが、この程度の株価下落は、長期投資につきものである。また買ってからすぐに下がったことを全く心配する必要もないし、中長期で見れば少しの誤差であり、全く問題ないため安心してほしい。

マーケットが大きく動くと慌てて個別銘柄を買ったり、売ったりする人がいる。そのような衝動的な意志決定は、ほとんど成功する見込みはない。戦略がないため、長く続かない。自己責任の世界であるため、敢えて放置しているが、ほとんど成功の見込みはないことは明らかなのだ。いい投資家は、そのことを知っているが、ダメな投資家は自分の判断に自信を持っている。行動経済学でノーベル経済学賞を受賞したセイラ―教授がいう通り、人間は非合理的なのだ。

長期投資は、短距離走ではなく、マラソンである。冷静に42キロをどう走るのか考えなければならない。投資を始めて1年間の運用成績は、1キロ地点の順位に過ぎず全く気にすることはない。

当社は毎年お客様が増えているため、運用経験は、初心者の方から、30年のベテランの方までさまざまである。私自身も1995年から投資を開始し、アドバイザーとしてお客様にアドバイスを始めて11年である。早いもので高2の息子も投資を開始して6年である。

多くのお客様を見ていて思うが、5年間の運用経験ができれば景気サイクルを一通り経験できるため、投資家として一定程度成長すると考えている。もちろん自己流ではなく、正しいやり方で5年間の投資経験が必要である。自己流で投資をしている人は、残念ながらいつまでも上手くならない。下手を固めるだけである。例外もいるかもしれないが、私自身そのような人にお会いしたことはない。

今回の株価調整が短期で終わるならば将来のバブルの芽を摘む意味においても、また金融政策の正常化の過程においても、長期投資家にとって歓迎するべきものである。

ベストタイミングであるかどうかは別として追加投資の余力がある投資家は、しっかり戦略を立てて買っていく局面だと考えている。

2018/02/06

理由なき暴落

5日月曜日ニューヨークダウは、1175ドル安(4.6%安)史上最大の下げ幅を記録した。非常に嫌な気分であるが、債券が急反発したことにやや安心感を覚えた。

暴落の理由は、リーマンショックやITバブルのように特定することは難しく理由なき暴落であった。理由はないのだが敢えて解説するとこれまで量的緩和で世界的な金余りの中で株や債券が買われて割高になっていた反動で売られたということだろう。まだ詳細は分からないが理由なき上昇が解消されたということかもしれない。

数年前からのアメリカの経済状況を思い出すと、アメリカの景気(実体経済)が今一つ弱い中で、FRBは金融引き締めを急ぐことなく時間をかけて出口に向かうというシナリオが好感されてマーケットは上昇を続けてきた。悪い景気指標がむしろ好感されて、株が買われるというねじれた展開であった。

今回はその逆で、アメリカの雇用統計などが好感され、出口戦略に向かう過程で長期金利が上昇した。年初から急ピッチで米長期金利は上昇したものの、金利上昇の中身自体は決して悪いものではなく、むしろいい金利上昇ととらえている。しかしながらアメリカの好調な景気指標を受け金融引締めのピッチが加速されるというシナリオが嫌気されて、株が売られ、最近のロボアドバイザーなどのコンピューターも大きなボラティリティに作動し、売りが売りを呼ぶ展開になったと考えている。(あくまでも個人的な見解である。)

今後の展開を正確に読むことは難しいが、しばらく調整局面が続くことになると考えるのが自然である。短期で終わるのか、時間がかかるのか分からないが、しばらく反発するという感じではない。ただ中長期で見れば景気拡大局面の中の調整である可能性が高いと感じている。マーケットの下げとは対照的に実体経済は、概ね好調である。ときに経済とマーケットは、相関関係を崩すことがあるのだ。

経験の浅い投資家は、このような展開に一喜一憂するかもしれないが、長期投資においてこのような調整局面は避けられない。パソコンで投資信託の残高をちらちら見ても下がるときは下がるのだ。嫌な気分になる人は、見ないという選択肢もありだろう。マーケットに雨が降ってもじっと耐えることが必要である。このようなリスクを許容することで将来のリターンが生まれるためである。

今朝、長年お世話になるお客様から追加投資のタイミングについてメールで問い合わせがあった。正直なところベストタイミングがいつなのかは、分からない。またお客様の投資経験やリスク許容度によってその判断は異なるだろう。ただ大切なことは、マーケットが大きく変動しているときに慌てて意思決定する必要はない。大震災の時に慌てて間違った判断をすると大きな事故につながることと同様である。私自身、ファイナンシャルアドバイザーとしてリーマンショックを経験しているが、このような時こそマーケットを冷静に分析して、お客様と対話して、その人に会った最適な判断をしていきたい。

今回の件でご質問やご相談のあるお客様は、遠慮なく電話やメールなどでご連絡をお願いします。しっかりと個別に対応させていただきます。

二つの資産を働かせる

人は誰でも二つの資産を持っている。『人的資産』と『金融資産』である。 人的資産とは、お金を産み出す自分自身で金融資産とはお金を産み出す『預金』や『債券』そして『株式』である。伝統的なこれらの資産以外の資産をオルタナティブ資産と定義する。不動産投資信託(REIT)やコモディティ...