2019/01/31

バリューマネジメントとは?

お客さまの資産運用をサポートして13年目に突入した。

最も長くサポートさせていただいているAさんで13年、最も短い人は昨日、運用を開始したBさんでまだ1日である。
13年運用したAさんと運用を開始したばかりのBさんでもちろん投資経験の違いがあるものの、長期投資に関する考え方は全く同じで、運用金額、運用利回り、運用年数の3つで将来価値が決まるということである。

長期投資において重要なことは目標利回りに沿った資産配分と銘柄選択(投資信託)である。投資タイミングは、資産配分と銘柄選択ほど重要ではなく、長期で運用することで複利効果を最大限享受することが大切である。また運用途中で税金を繰り延べるために投資信託を活用することも長期的にはリターンの差別化につながる。

資本主義社会が続く以上、広義のマーケットは値上がりしていく。倒産した企業は、マーケットから退場し、元気な企業がマーケットに参入してくるからだ。特に長期投資においては、個別銘柄に対する投資よりも投資信託を活用するほうがよい。どんな優良企業でも栄枯盛衰があり、企業の命よりも個人の命のほうが長くなっているからだ。あのGEでさえNYダウ工業株30種の基準を満たすことが出来なくなって採用銘柄から除外されたことは記憶に新しい。

どんな優良企業でも個別銘柄に対する集中投資はリスクが大きい。これまで大丈夫だったからと言ってこれからも大丈夫だとは限らないのだ。東京電力や東芝をみるとわかりやすい。長期分散投資によって、マーケットの変動リスクを軽減することで投資をより長く継続することが出来るのだ。

さて前置きが長くなったが最近、新しいお客さまも増えてきたので当社の社名バリューマネジメントの由来について書いてみたい。

人間は誰でも『人的資産(ヒューマンバリュー)』と『金融資産(ファイナンシャルバリュー)』という二つの資産(バリュー)を持っている。

『資産』の定義は、『お金を生み出すもの』であるが、人的資産は、稼ぐ自分自身であり、金融資産は、預金、債券、株式、投資信託などである。

若い時は、金融資産は少ないけれど人的資産は高く(長く稼げる)、年を取ると人的資産は低下(稼げる時間が短くなる)するため金融資産でカバーするといった具合である。
人的資産の低下を金融資産でカバーするために、資産運用が重要なカギを握っている。
預金は名目では減らないという安心感はあるものの、人生が長くなった今、あまり長く放置していると実質的な価値が下がるのである。

お客様の大切な二つのバリューをマネジメントするお手伝いをすることが当社の仕事である。それにしても最近、お客様に中浜さんが死んだら担当はどうなるのか?とよく聞かれる。若い人ではなく年上の方からも聞かれる。大きな金額を運用するので当たり前といえば当たり前であるが、まだまだそんなに簡単に死にませんよ。

2019/01/24

お金は手段

資産運用の仕事に携わり、日頃からお客様のお金や人生に対する考え方や価値観に接している。

お金と上手につきあっている人は、お金はあくまでも手段であり、目的ではないことを理解している。お金を殖やすこと、お金を貯めることが目的となってしまうと実に寂しい。

お金は人間の体に例えると血液のようなもの。人生においてしっかりとお金を循環させていくことが大切でゼロ金利の預金に置いておくだけでは世の中にとって何の役にも立たない。当面必要なお金は預金して、当面、使わないお金はとるべきリスクをとってしっかり運用するべきである。

特に日本人は、老後のために貯めたお金が減るのが怖くて、なかなか使えないという人が多いように思う。節約や堅実であることは素晴らしいことであるが、何事も行き過ぎはよくない。

サッカーでも守り一辺倒ではダメで攻撃がなければ勝利することはできない。もちろん攻撃一辺倒でもダメで理想的には、バルセロナのサッカーのように攻撃と守備のバランスが大切である。

個人の1000兆円近い預金は明らかに日本経済の低迷の一因となっている。この預金の大部分は高齢者が保有しているのだが、ゼロ金利で何も生み出していない。そればかりか長期的には物価上昇に負けて実質的に目減りしている。

貯蓄から投資という掛け声のもとNISAや確定拠出年金を活用する取り組み自体は否定しないが、小手先のやり方で本質的な金融教育がなされていないため、大人も子どもも、未だに『NISAは得なのか?』『ふるさと納税は得なのか?』というレベルから抜け出せないように思う。

もちろん人生においてお金を稼ぐことお金を貯めることは大切なことである。私自身若いころはお金を稼ぎたいという気持ちが人一倍強かった。そういう気持ちも必要だと思う。しかし、お金のために仕事をしているレベルでは人より抜きんでた成果を出すのは不可能だと思う。お金を稼ぐために仕事をするのではなく、価値ある仕事の対価としてお金は支払われるからだ。大して価値がない仕事にお金がついてくることもあるが、その仕事は、長くは続かない。

誰か(人、企業、社会)の役に立つ価値ある仕事がお金を生み出すという当たり前のことを学校でも子どもたちに教えるべきである。価値ある仕事をできる能力を養うために教育がある。有名大学に入ることが目的となっては駄目で何を学ぶか?どういう生き方をするのか?ということがより重要になってきた。少なくとも高度成長期からバブル崩壊に至る日本では大した価値がない仕事でも成り立った面があると思う。これからは違う。

さて高3の息子が4月から渡米し、9月からアメリカの大学に入学することになった。息子には4年間、勉強頑張るだけでなく、その先の事もしっかりと考えろとアドバイスしている。自分自身といえば高校3年の時、何も考えていなかったのだが、時代が変わったからそうしろ!と(笑)

娘も4月から大手証券会社で社会人としてのスタートを切る。お客さまの大切なお金のアドバイスをする大変な仕事である。娘には、お金のためではなく誰か(人、企業、社会)のために役に立つ価値ある仕事をしてほしい。

2019/01/16

ファイナンシャルアドバイザーとして

先週、『ボヘミアン・ラブソディ』を見たら、クイーンが聞きたくなってグーグルホームを購入した。テクノロジーの進化に驚く毎日であるがファイナンシャルアドバイザーとして最近、感じていることを書いてみたい。

2007年にファイナンシャルアドバイザーとして独立して以来、今日までお客様の資産運用をサポートしてきた。この12年は、長期投資という観点から見ても決して平坦な道ではなかった。

特に100年に一度の金融危機2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災、そして欧州債務危機に市場は翻弄された。考えてみれば実に厳しい12年だった。そんな時代をともに乗り越えてきた全てのお客様に対して、感謝の気持でいっぱいである。

2019年1月現在の世界経済も決して安泰とは言えない状況である。米中貿易摩擦に代表される米中の覇権争いは、激しさを増している。しかしながら5年後10年後もデコボコはありながらも世界経済は成長を続ける。今後も世界経済が成長するという大きな趨勢に変化はなくマーケットは成長を続けるのである。

さて私自身ファイナンシャルアドバイザーという仕事のおかげでお客様とアドバイザーという関係以上の素晴らしい方々にお会いできたことは、私の人生において大きな財産となっている。もちろんお客様の大切なご資産をお預かりする仕事は簡単な仕事ではないが、年齢、性別、職業、国籍に関係なく素晴らしい皆様にお会いできることは、とても幸せなことである。

基本的に私には定年も転勤もない。健康でいられる限り、あるいはお客様から担当変更の申し出がない限り、一生涯にわたってお客様を担当させていただくつもりである。

若い時は、ビジネスで成功して大金を手にして、仕事はやめて世界を旅しようなどと思っていたが今は違う。お客様の資産を守ることが私のミッションであり、責任である。人生をかけてこの仕事を続けていきたいと考えている。

お客様とマーケットとしっかり向き合いつつも、自分自身も人生を楽しみたい。公私を区別するのではなく必要な時に働き、遊ぶときは遊び、休みが必要な時にはしっかり休むように自分自身をマネジメントしていきたいものだ。

そのためには、一にも二にも健康が大切である。私自身、30代半ばに大病をして生死をさまよった嬉しくない経験がある。間違いなく人生最大のピンチであったがそこを乗り越えたおかげで今の自分があると考えている。ファイナンシャルアドバイザーとしてお客様を長く担当するためには自分自身が健康でなければならない。もちろんゴルフをするにも釣りをするにも旅をするにもお酒を飲むにも健康でなければ楽しくないのだ。

超一流のスポーツ選手が自己管理を徹底しているように、アドバイザーとして自己管理は欠かせない。

最近は若いお客さんも増えて『中浜さんが死んだらどうするんですか?』と聞かれることも多くなった。当たり前であるが、お客様をサポートするために若いアドバイザーの育成も必要である。個人として頑張るだけではなく、サービスを次世代にバトンタッチしていかなければならない。まだまだやるべきことがたくさんあるのだが、優先順位を間違わないようにコツコツと一歩一歩進むしかないと思う。

さて長期投資を成功させるということは、そんなに簡単なことではない。マーケットは右肩上がりではないし、少なくとも短期的な動きはランダムで思うようには動かない。時間が必要だし、じっと我慢する忍耐力が必要である。もし簡単だったら誰でも成功できるわけで、簡単ではないからこそ、成功した時のリターンが大きくなるのだ。何事においても成功するためにはリスクをとることが欠かせない。リスクをとらない人にリターンはないのだ。長期投資においてとるべきリスクをとる人を一人でも多く増やしていくことが、現時点で私の考える最善の投資教育である。

2019/01/09

下落局面における心構え

昨年末から現在に至るマーケットの急落は、全ての投資家にとって非常に厳しい局面である。

残念であるが、長期投資においてこのような局面を避けることは不可能であり、長期投資家は、今こそ『忍耐』を発揮しなければならない。これまでのところ、リーマンショック(世界金融危機)ほどの厳しさではないものの2000年初頭のITバブル時に匹敵する大きな下げとなっている。特にこの10年の世界経済をけん引してきたハイテク株の下げは大きく世界一の時価総額を維持してきたアップルは、米中貿易摩擦や中国市場の減速によって株価が急落し、昨日時点で時価総額トップをアマゾンに譲り、世界4位に後退している。

アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブック、テンセントなど近年、急ピッチで上昇してきたハイテク株が売られ、これらの企業の寄与度が高い世界株価指数の下落は投資家心理を悪化させ、好調な企業の株価も押し下げ、マーケット全体に波及した。

もちろんトランプリスクも甚大で投資家心理を悪化させているのだが、本質的にはここ数年のハイテク株の値上がりは急ピッチであった。きっかけはトランプかもしれないが、株価が上がりすぎた反動による下落という面が大きいのではないか。

GAFAに関しては現代の東インド会社のごとく巨大化しており、この先もまだ成長は続くことは間違いないが、『天まで伸びる木はない』わけで、ファンダメンタルズに見合った健全な株価に落ちついていくと考えている。

さて、さまざまな要因によってマーケットは大きく下落したわけであるが、今回のマーケットの下落が好調であった実体経済に水をさし悪化させる可能性は否定できない。

世界経済はピークを過ぎ、徐々に減速する可能性が高いため、マーケットが大きく反発していくような雰囲気ではない。ただし経済というものは、いい時と悪い時をいったり来たりするわけで、常に安定するということはありえない。

今後の推移は誰にも分からないのであるが、このような局面で個人投資家に必要な心構えについて最近読んだ書籍から紹介したい。

『市場サイクルを極める』ハワード・マークス著から抜粋

『下落しはじめたあとで市場から撤退すること(したがって、反騰後の市場に参加できなくなること)は、まさしく投資における大罪なのである。

サイクルが下降局面にあるときに評価損を計上すること自体は、恩恵が生じる上昇局面に転じてからも保持し続けるかぎりは、致命的ではない。

本当に悲惨なのは、底値で売り、下降局面での下げを損失として確定させてしまうことである。サイクルを理解し、その変動を乗り切るために必要な精神的、金銭的強さを身につけることが、投資を成功に導く上で欠かせない要素なのである。』

以前、当ブログでも紹介した『投資で一番大切な20の教え』の著者ハワード・マークスの新著で内容的にはかなり上級者向けの本で読み解くのは簡単ではない。

特に彼が重視する市場サイクルについて掘り下げており、我々が生きている世界にはサイクルが存在し、物事は上昇と下降、成長と衰退を繰り返す。経済、市場、企業も例外はなく必ず浮き沈みがある。我々が生きている世界にサイクルがある根本的な原因は、人間がかかわっているためである。人がかかわれば、結果は変化と浮き沈みに富んだものとなる。それは人が落ち着きのある冷静な生き物ではなく、感情的で一過性のない生き物だからと論じている。

長期投資を成功させるためには『人間が一過性のない生き物である』ことを認識した上で、浮き沈みのある市場サイクルの中で感情を一定に保つことが大切だとあらためて感じた。

継続すること

何事においてもそうであるが、つくづく投資においても継続することは何よりも強いと感じる。長期投資を続けることには様々な障害があるのだが、それらの障害を乗り越えて、正しい方法で続けていくことが大切である。私は200名近いお客さまの資産運用をサポートしているが、基本的に当社のお客様はス...