2019/01/09

下落局面における心構え

昨年末から現在に至るマーケットの急落は、全ての投資家にとって非常に厳しい局面である。

残念であるが、長期投資においてこのような局面を避けることは不可能であり、長期投資家は、今こそ『忍耐』を発揮しなければならない。これまでのところ、リーマンショック(世界金融危機)ほどの厳しさではないものの2000年初頭のITバブル時に匹敵する大きな下げとなっている。特にこの10年の世界経済をけん引してきたハイテク株の下げは大きく世界一の時価総額を維持してきたアップルは、米中貿易摩擦や中国市場の減速によって株価が急落し、昨日時点で時価総額トップをアマゾンに譲り、世界4位に後退している。

アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブック、テンセントなど近年、急ピッチで上昇してきたハイテク株が売られ、これらの企業の寄与度が高い世界株価指数の下落は投資家心理を悪化させ、好調な企業の株価も押し下げ、マーケット全体に波及した。

もちろんトランプリスクも甚大で投資家心理を悪化させているのだが、本質的にはここ数年のハイテク株の値上がりは急ピッチであった。きっかけはトランプかもしれないが、株価が上がりすぎた反動による下落という面が大きいのではないか。

GAFAに関しては現代の東インド会社のごとく巨大化しており、この先もまだ成長は続くことは間違いないが、『天まで伸びる木はない』わけで、ファンダメンタルズに見合った健全な株価に落ちついていくと考えている。

さて、さまざまな要因によってマーケットは大きく下落したわけであるが、今回のマーケットの下落が好調であった実体経済に水をさし悪化させる可能性は否定できない。

世界経済はピークを過ぎ、徐々に減速する可能性が高いため、マーケットが大きく反発していくような雰囲気ではない。ただし経済というものは、いい時と悪い時をいったり来たりするわけで、常に安定するということはありえない。

今後の推移は誰にも分からないのであるが、このような局面で個人投資家に必要な心構えについて最近読んだ書籍から紹介したい。

『市場サイクルを極める』ハワード・マークス著から抜粋

『下落しはじめたあとで市場から撤退すること(したがって、反騰後の市場に参加できなくなること)は、まさしく投資における大罪なのである。

サイクルが下降局面にあるときに評価損を計上すること自体は、恩恵が生じる上昇局面に転じてからも保持し続けるかぎりは、致命的ではない。

本当に悲惨なのは、底値で売り、下降局面での下げを損失として確定させてしまうことである。サイクルを理解し、その変動を乗り切るために必要な精神的、金銭的強さを身につけることが、投資を成功に導く上で欠かせない要素なのである。』

以前、当ブログでも紹介した『投資で一番大切な20の教え』の著者ハワード・マークスの新著で内容的にはかなり上級者向けの本で読み解くのは簡単ではない。

特に彼が重視する市場サイクルについて掘り下げており、我々が生きている世界にはサイクルが存在し、物事は上昇と下降、成長と衰退を繰り返す。経済、市場、企業も例外はなく必ず浮き沈みがある。我々が生きている世界にサイクルがある根本的な原因は、人間がかかわっているためである。人がかかわれば、結果は変化と浮き沈みに富んだものとなる。それは人が落ち着きのある冷静な生き物ではなく、感情的で一過性のない生き物だからと論じている。

長期投資を成功させるためには『人間が一過性のない生き物である』ことを認識した上で、浮き沈みのある市場サイクルの中で感情を一定に保つことが大切だとあらためて感じた。

ファイナンシャルアドバイザーとして

先週、『ボヘミアン・ラブソディ』を見たら、クイーンが聞きたくなってグーグルホームを購入した。テクノロジーの進化に驚く毎日であるがファイナンシャルアドバイザーとして最近、感じていることを書いてみたい。 2007年にファイナンシャルアドバイザーとして独立して以来、今日までお客様の...