2019/01/24

お金は手段

資産運用の仕事に携わり、日頃からお客様のお金や人生に対する考え方や価値観に接している。

お金と上手につきあっている人は、お金はあくまでも手段であり、目的ではないことを理解している。お金を殖やすこと、お金を貯めることが目的となってしまうと実に寂しい。

お金は人間の体に例えると血液のようなもの。人生においてしっかりとお金を循環させていくことが大切でゼロ金利の預金に置いておくだけでは世の中にとって何の役にも立たない。当面必要なお金は預金して、当面、使わないお金はとるべきリスクをとってしっかり運用するべきである。

特に日本人は、老後のために貯めたお金が減るのが怖くて、なかなか使えないという人が多いように思う。節約や堅実であることは素晴らしいことであるが、何事も行き過ぎはよくない。

サッカーでも守り一辺倒ではダメで攻撃がなければ勝利することはできない。もちろん攻撃一辺倒でもダメで理想的には、バルセロナのサッカーのように攻撃と守備のバランスが大切である。

個人の1000兆円近い預金は明らかに日本経済の低迷の一因となっている。この預金の大部分は高齢者が保有しているのだが、ゼロ金利で何も生み出していない。そればかりか長期的には物価上昇に負けて実質的に目減りしている。

貯蓄から投資という掛け声のもとNISAや確定拠出年金を活用する取り組み自体は否定しないが、小手先のやり方で本質的な金融教育がなされていないため、大人も子どもも、未だに『NISAは得なのか?』『ふるさと納税は得なのか?』というレベルから抜け出せないように思う。

もちろん人生においてお金を稼ぐことお金を貯めることは大切なことである。私自身若いころはお金を稼ぎたいという気持ちが人一倍強かった。そういう気持ちも必要だと思う。しかし、お金のために仕事をしているレベルでは人より抜きんでた成果を出すのは不可能だと思う。お金を稼ぐために仕事をするのではなく、価値ある仕事の対価としてお金は支払われるからだ。大して価値がない仕事にお金がついてくることもあるが、その仕事は、長くは続かない。

誰か(人、企業、社会)の役に立つ価値ある仕事がお金を生み出すという当たり前のことを学校でも子どもたちに教えるべきである。価値ある仕事をできる能力を養うために教育がある。有名大学に入ることが目的となっては駄目で何を学ぶか?どういう生き方をするのか?ということがより重要になってきた。少なくとも高度成長期からバブル崩壊に至る日本では大した価値がない仕事でも成り立った面があると思う。これからは違う。

さて高3の息子が4月から渡米し、9月からアメリカの大学に入学することになった。息子には4年間、勉強頑張るだけでなく、その先の事もしっかりと考えろとアドバイスしている。自分自身といえば高校3年の時、何も考えていなかったのだが、時代が変わったからそうしろ!と(笑)

娘も4月から大手証券会社で社会人としてのスタートを切る。お客さまの大切なお金のアドバイスをする大変な仕事である。娘には、お金のためではなく誰か(人、企業、社会)のために役に立つ価値ある仕事をしてほしい。

大底はどこか?

リーマンショック以来の緊張がマーケットを覆っている。私自身、リーマンブラザーズが史上最大の破綻をした2008年9月15日以降の半年間のマーケットは、お客様の大切な資産をお預かりする立場としては、まさに地獄のような日々であった。 さて、そのリーマンショック後のセリングクライマッ...