2019/10/03

マイナス金利とインデックスバブル

そもそも金利とは経済における体温計のようなものである。

世界経済とりわけ先進国における低金利状態は、ビジネスがなかなか儲からない状態、人間の体に例えると低体温症といってよいだろう。日銀の黒田総裁は就任以来、持続的な物価上昇率2%になるまで異次元緩和を続けると明言していたが、未だに持続的な物価上昇の気配は全く見られない。最初から分かっていたことであったが金融政策で物価を上げることは不可能であった。

日本は世界で前例のないくらい長く続いたデフレ(持続的に物価が下がる)状態からは、脱却したものの物価上昇2%の目標達成は、現在の潜在成長率から考えると少なくとも10年は不可能だろう。(一生無理かもしれない。)急激な円安による輸入物価の上昇、コストプッシュ型のインフレがあったとしても経済の好循環による持続的な物価上昇とはならずあくまでも一時的なものである。

個人の可処分所得(物価を考慮した実質所得)がなかなか伸びない状況でのインフレは、消費者にとって望ましくないため、経済成長率に見合った物価上昇が望ましい。よってマイナス金利もしくは低金利下の現状は、マイナス面も多く受け入れがたいものの日本経済の現状(実力)に見合った金利水準であり、ある意味仕方ないのかもしれない。銀行をはじめとする金融機関にとってはつらいが、巨額の借金を抱える国は救われているという構図である。日銀の異次元緩和は、ファイナンシャルリプレッション(金融抑圧)によって国を救っているという側面があるのだ。

新興国はまだまだ経済成長の余地はあるが先進国を含めた世界経済全体でみれば人口増加も鈍化しており高度成長期は終焉した。低成長の先進国と高成長の新興国と合わせて世界経済成長率は、3%~3.5%強がいいところだろう。中国のGDP成長率の推移と急速な少子高齢化は、高度成長の終焉の象徴で10%を超える成長率を達成した2010年代初頭をピークとして、現状6%前半にスローダウンしており、米中摩擦によってさらに減速することは避けられない。

このような世界経済の環境下において、全ての企業の株価がずっと右肩上がりで上昇していくことは不可能である。だからと言って個人が大した調査もしないで思いつきで個別銘柄を買う行為は極めて危険で、投資ではなく単なるギャンブルである。

経済が成熟すると強い企業と弱い企業の格差はより鮮明となる。高度成長期のように経済のパイが大きくなる時は、頑張った人も頑張っていない人も給料が上がったが、成熟した経済においては、みんなの給料をあげることは不可能なのだ。

個人の資産運用において、このような背景を考えると世の中でよく言われているようなインデックスファンドを買えばよいといった安易な運用方法は、実に危険である。質の悪いアクティブファンドよりは、いいかもしれないが、ベストチョイスではない。リーマンショック後の2009年のようにすべての株が下がっている局面ではインデックスファンドは有効であるが、今は違うと考えている。

私の現状認識であるが日銀やGPIFを含めた機関投資家のみならず個人投資家も思考停止したようにインデックスファンドに群がり、まさにインデックスバブルと言っていい状況である。マイナス金利でお金の置き場所がないことからインデックスファンドが受け皿になったと考えている。マイナス金利の副作用の一つであるがゾンビ企業を生み出す傾向がある。金利によって救われている生産性の低い企業の株式がインデックスファンドを通じて買われており、株価が業績と乖離して割高に放置されている株式が多いのではないか。これがインデックスバブルの正体である。例えば東証一部に上場する企業は2000社を超える。TOPIX(東証株価指数)に連動するインデックスファンドは、時価総額で加重平均されているが2000社超の株式に投資しているということである。個人的にはコストが安いとしてもTOPIXを買いたいとは思わない。インデックスを買うなら、日経225のほうが良い。

言うまでもないが世界経済は、非常に厳しい局面を迎えている。今こそ運用会社の実力差が出る局面であり、ファンドの選択と長期投資の継続が重要である。良質なアクティブファンドをコアとした最適な運用プランをお客さまに提案していきたい。

ゴーイングコンサーン

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