2020/10/23

お金が貯まる人

 当社は、2006年に創業して今年15年目を迎えた。最初のお客様は、15年間サポートさせていただいており、一番新しいお客様は、昨日、運用をスタートしたお客さまである。

現在、お客さまからお預かりしている資産は120億円(ファイナンシャルアドバイザー2名)を超え、日々、責任の重さを感じつつ活動している。当社は、原則3000万円超の金融資産を保有する個人と1億円超の法人のお客様を中心にサポートさせていただいている。

当社のお客様は、各業界で活躍している素晴らしい皆さまである。20代で3000万円超の金融資産を自力で貯めたお客様もいるが、多くは30代~50代の働き盛りのビジネスパーソンが中心である。

60代超のお客さまも多数いらっしゃるが、当社のお客様は、大手証券会社の顧客と比べて若く、現役で仕事をバリバリやっている方が多いのが特徴でほとんどのお客様が継続的に追加投資を実行していただいている。当社のお客様は、まさに日本を代表する賢明な投資家といえるだろう。

職業は、会社員、公務員、経営者、税理士、弁護士、司法書士、開業医、勤務医、プロスポーツ選手、芸能人など実にさまざまであるが、男女比率は、近年、女性のお客様が増えていることもあり、ほぼ50:50といった感じ。

当社のお客様を見る限りでは、女性のほうがお金を貯める能力は高く、資産運用においても長期的な視点を持って我慢強く、継続投資できる方が多いと思う。所得においては男性のほうが稼いでいる人は多く、1億を超える資産を保有する人は男性のほうが多いが、40代~50代で5000万円~1億円の金額を自力で貯めている女性のお客様も多く、新しい時代の成功者だと感じている。

当社のお客様の中でもで資産形成が順調に進んでいるトップレベルの方は、30歳で2000万円、40歳で5000万円、50歳で1億円に到達している。この半分の数字、30歳で1000万円、40歳で2500万円、50歳で5000万円貯めれば十分に凄いレベルであるが、当社のお客様は、それ以上のトップレベルの方が多い。

では30歳で2000万、40歳で5000万、50歳で1億円という金融資産を保有している人は、どのような人なのか?

あらためてであるが、

資産形成とは (収入―支出)+(資産×運用利回り)である。

収入が高く、賢い支出をして、余剰資金を長期で運用して、ふやしていくことが大切である。

●まず自力で金融資産を貯めている人は、間違いなくストイックで仕事ができる人が多い。自分の専門領域における能力が高いため、必然的に平均よりも収入が高くなる。

●支出であるが、極めて質素(シンプル)で無駄がなく、賢い支出をしている。当社のお客さまでトップレベルの人に浪費家の人は一人もいない。しかし、自分自身の人的資産価値を高める支出には惜しみなく使い、消費にメリハリがあるといった印象である。ストイックに自分のやるべき仕事に集中して、身の丈にあった生活をした結果、自然な形でお金が貯まったという方々である。

●資産運用に関しては、基本的に当社と相談の上、リスク許容度に応じた運用方針を決めて、それに沿ってたんたんと実行している。仕事中にスマホでちらちら株価をチェックしているような人は、一人もいない。自分のやるべきことに集中しており、資産運用は、長期的な視野を持ち、基本的に当社に任せていただいている。実に合理的な方々である。

このようなお客様は、日本でも世界でも、まだまだ少数派であることは間違いない。世の中は、あいかわらず日々の株価に一喜一憂して、ネットで調べた表面的な情報をもとに売り買いしている素人のギャンブラーで溢れている。このような人たちが成功する確率は、宝くじで当たる確率と大差ない。自分がやっていることのリスクを理解していないケースがほとんどである。

当社のお客様を見て、あらためて思うのは学校の勉強ができる頭のいい人というよりは、当たり前のことを当たり前にたんたんとこなす実務能力の高い方が、資産形成においても成功しているという印象である。

コロナでまだまだ大変な世の中であるが、人的資産と金融資産の二つの資産管理、パーソナルファイナンスの巧拙によって、今後もますます個人間の格差が拡大していくだろう。

当たり前の話かもしれないが、自分の市場価値を高めてしっかりと稼ぎ、無駄のない賢い支出をすれば、自然とお金は貯まるのだ。お金が貯まらない人は、収入以上の支出をしているケースが多く、生活における支出を見直す必要がある。

最近、お会いする20代の若いビジネスパーソンに『まず自分の仕事に集中して、自力で1000万円貯めることを目標としてほしい。』と伝えている。1000万円貯めることは、なかなか大変であるし、ある程度ストイックでないと1000万円は貯まらない。しかし、1000万円貯めることができた人は、年齢とともに給料も増えていくし、資産運用で増やすこともできるため意外と早く3000万円貯まっている。

これまでの経験から資産形成に最も必要なことは、金融や経済の知識を高めることでもなく、早く資産運用を開始することでもなく、まず自分のやるべき仕事に集中して1000万円を貯めることだと確信している。金融知識や経済知識はあるに越したことはないが、ネットや書籍などにあふれる信頼性の低い情報を基に中途半端な知識で投資判断をすることほど、危険なことはないと思う。

2020/10/13

無形資産

 ウィズコロナの生活が徐々に定着しつつある今、お客さまから様々な相談が寄せられるのだが、最近多い相談の一つが住宅購入に関する相談である。

コロナで仕事がリモート中心になり、ボーナスや残業代が減って、収入減少している中で賃貸で毎月の家賃を払っていることが、もったいないと感じ、マンションの購入を検討しているといった類の話が実に多い。

賃貸はもったいなくて、持ち家のほうが得であることは決してないのだが、心理的に賃貸は損している(もったいない)気がするようだ。

これは貯蓄性のある保険のほうが得で掛け捨ての定期保険は損だと感じているようなものだ。私は20年前に横浜市内に戸建てを購入したが、もはや住宅部分の価値は、ほとんどゼロではないか。近年、さまざまな修繕費用がかかっており、持ち家も結構お金がかかるのである。とりあえず土地の値段は下がってないかもしれないが、そもそも売るつもりもない(現金化できない)ため、資産価値としては、全く計算していない。当時、一生住んでもいいという判断で買ったわけで住み替えや売却を前提として買ったわけではないのだ。

・NISAがあるから投資をする。

・住宅ローン減税があるから家を買う。金利が低いから家を買う。

・節税効果があるからマンションに投資する。

・初任給が高いから、この会社に入る。

・Go to Travelがあるから旅行に行く。

何かがおかしい。

個人的に旅行は好きであるが旅行に行きたいから、旅行に行くわけであり、Go to Travelがあるから旅行に行こうとは思わない。NISAなんかなくても投資するし、節税効果があってもマンションには投資したくない。住宅ローン減税がなくなったら、家が売れずに値段は下がるし、金利が上がっても同様であろう。家を買うかどうかの判断に住宅ローン減税も金利もあまり関係ない。

家という一番大きな買い物は、経済的な損得でタイミングを計って意思決定するのではなく、家族構成やライフプランがはっきりして、ここにずっと住み続けてもいいという物件を自分たちにとって良いタイミングで購入するべきと思う。

賃貸はもったいないという理由でマンションを購入する判断には、違和感を覚えるし、将来、そのような意思決定は、大きなリスクを抱える可能性が高いと思う。

結婚やお子さんの誕生でライフステージが変わって、家を買い替える人は多いが、買い替えコストがかかること、実際に住み替える時に望む金額で売却できるのか?は、その時の経済状況次第で不確実である。

日本は、少子高齢化の加速、人口減少、大相続時代に突入しており、都心部でも空き家が増えている。私の住む横浜の住宅地でも空き家が少しずつ増えている。都心部でも一部の例外を除けば戸建て、マンションに関わらず住宅の資産価値がどんどん上がることはなさそう、いや絶対ないだろう。資産運用の観点でいえば、投資対象でなく全く興味のない資産である。

アマゾン株は、90年代後半に株式を分割後に一株1.5ドルで低迷していたが、20年後の今、3000ドルを超えており、底値から2000倍超となっている。もしも100万円買っていたら、20億円である。低迷していた時代に底値でアマゾン株を買うことは難しいし、20年以上保有することはもっと難しいのであるが、優良企業への投資は、莫大なリターンを生むことがある。これからも優良企業の株式が資産運用の主役であることは、間違いない。

一方、未だに不動産会社の下手なトークに乗せられて安易にマンション投資をやっている人が多いのも事実である。マンションを買った当の本人からは、節税と退職後の賃料が得られるメリットなどいい話ばかりを聞くが、金利がいくらか?聞いても答えられないケースがほとんど。つまり不動産のプロというわけでもなく、完全にアマチュアレベルなのだ。マンション投資には購入時に気づいていないリスクが潜在化しており、将来、徐々に顕在化してくるのだ。非常に危険であることは言うまでもなく、借金して不動産投資することはやめたほうが良いだろう。

ゼロ金利時代に住宅ローン金利よりかなり高い金利で借金をしてマンションに投資をして、10年後、20年後に輝く未来が想像できるだろうか?

時代のキーワードは、まさに『有形資産』から『無形資産』へと変わった。世の中の企業の時価総額(企業価値)を見てみれば、それは一目瞭然である。

個人においても同じである。個人の価値は、その人が持ち家か賃貸か?では決まらないし、資産を多く持っているかどうかだけで、はかれるものではない。お金は、もちろん大切であるが、あくまでも人生における目標を達成するための手段であり、大切なことはその人がどのように生きるのか?ということが本質である。

個人の知識や経験、能力、洞察力、信用、人間性など無形資産がキャッシュフローを生み出す時代になった。資産運用においてもバランスシートにあらわれない無形資産を目利きする洞察力が求められる。

自らの人的資産を高めて、仕事で価値を提供し、身の丈に合った生活をすればお金は貯まる。貯まったお金を将来性のある資産に投資することで、人的資産と金融資産の両輪をしっかりと回転させていくことが重要である。

2020/09/17

悪意のある第三者による不正アクセスに関するお知らせ

昨日、各種メディアでも報道されましたが、当社が金融商品仲介業に関して業務委託契約を締結しているSBI証券の一部の顧客(当社担当のお客様ではありません。)の証券口座から不正アクセスによって資金が流失したことが判明しました。

本来、証券口座から出金できるのはあらかじめ設定された本人名義の銀行口座のみですが、偽りの銀行口座が第三者によって開設され、その偽口座に出金されたようです。銀行口座を作るためには本人確認書類が必要ですが、本人確認書類が偽造された可能性が高いようです。当社も2006年から金融商品仲介業者として活動しておりますが、証券口座からお金が流出する事例は初めてかなり異例の事態です。被害にあわれた顧客に対してSBI証券は早急に全額補償すると同時に偽りの銀行口座が設定されたため、銀行と協議するとのことです、

また現時点で分かっていることは証券口座から出金する際に使用されたパスワードはSBI証券のシステムから不正取得されたものではなく、他のインターネットサービスなどで併用しているパスワードの可能性が高いとのことです。

当社が担当するお客様の証券口座に関しては問題ございませんし、今すぐ何かアクションをとっていただく必要はございませんが、今後の防止策の強化や本件に関する質問窓口についてSBI証券ウェブサイトにプレスリリースが記載されております。

お手数ですが、まずご一読いただければ幸いです。

2020/07/07

1989年以来の転換期

今年も気づいたら半分が過ぎてしまった。本日7月7日は、当社バリューマネジメントの14歳の誕生日である。特に何もないが、ブログを更新してみることにした。

それにしても、まさか2020年オリンピックイヤーがこのような年になるとは、誰が想像しただろう。世界は、コロナに振り回され、人々それぞれの人生や生活に多大な影響を与えている。私自身も今後の人生や生き方について真剣に考える機会となっている。

さてコロナによるアメリカの死者数は13万人を超え、第一次世界大戦の死者数を大きく上回っている。アメリカは、コロナ戦争に敗戦したかのような雰囲気である。そんな危機的状況において大統領がトランプであることは、悲劇としか思えない。もはやバイデンがいいかどうかはどうでもよく、トランプ以外であれば誰でもいいのではないかと思えてくる。
アメリカファーストというより自分ファーストの人間がアメリカ大統領になってしまったことの代償はかなり大きかったようだ。コロナで世界に関心がなくなったアメリカとアメリカから干渉を受けない独裁者らは伸び伸びとやりたい放題である。効果的なワクチンができるまでは、世界は、歴史上最大の危機といっても過言ではないだろう。

とりわけ、大統領選挙を控えたアメリカとウイルスの発生源となった中国との関係は、貿易摩擦レベルではなく、もはや修復不能レベルであり、米中新冷戦時代が到来したといっていいだろう。

私が大学1年生の時、1989年11月、ベルリンの壁が崩壊した。その後、ソ連崩壊で米ソ冷戦が終結して以来、世界をリードしてきたアメリカは、リーマンショック、そしてコロナショックがとどめを刺し、国力は大きく低下した。その間に世界第二位の経済大国にのし上がった中国も世界から信用されず世界をリードする資格はなさそうだ。米中覇権争いというよりも世界は、まさにイアン・ブレマー氏のいうリーダーシップなき『Gゼロ』の世界となった。むしろ国家よりもGAFAやマイクロソフトに代表されるデジタルやITなどハイテク企業が影響力を増し、テクノロジーが覇権を握る世界になるのかもしれない。

あらためてであるが経済における3主体は、国、企業、個人である。コロナウイルスに上手く対応できている国とそうでない国で明暗が分かれているが、コロナ対策における各国の財政負担は巨額であり、コロナ後のソブリンリスクが懸念されるところである。

各国中央銀行の大規模な金融緩和と政府の巨額の財政出動によって、事実上の財政ファイナンスまさに国債バブルといってよい状況である。株式市場においても一部でバブル懸念が指摘されているものの、債券に比べればバブルという水準ではないだろう。いずれにしても国家財政は非常に厳しい状況であり、無能な政治家らは、このような状況下、国民の短期的利益を優先するポピュリズムがますます台頭し、長期的な利益を失っていくという悪しき流れが完全に出来上がったように思う。国家の未来は明るくないかもしれない。

国家の先行きが極めて不透明な時代に、個人としてどのように生きていくのか?ということが大変重要になってきた。このようなサバイバルといってよい状況で大切なことは、バランスシートである。バランスシートに余力のある個人や企業は、国家に頼る必要はない。むしろ強い個人、強い企業は、稼ぎ続け納税し、国を支えている。世界経済がどんなに厳しくても強い企業、強い個人は生き残り、ますます強くなっていく。

当社も様々な影響を受けているが2020年1-6月期、半年間の収入は対昨年比でほぼ同等である。正直、かなり収益が悪化することも覚悟していたのであるが、3月をボトムにマーケットが回復していること、株価が急落したことで、新規のお客様や既存のお客様の追加投資が増えたため、現時点では当社のビジネスへの影響は最小限であった。まだまだ予断を許さない状況であるが、何とか今年も利益を出して、個人としても法人としてもしっかりと納税していきたい。

GAFAとマイクロソフトの5社の時価総額が東証一部全銘柄(約2100社)の時価総額を超えた。テスラの時価総額が、トヨタを超えた。このようなニュースに接して、時代の大きな変化を感じざるを得ない。一方で政府、霞が関の官僚、銀行、一部の企業は、組織が硬直して世界の変化、スピードに全く対応できていない感じである。

2020年は、1989年以来の転換期である。ベルリンの壁崩壊後の世界の秩序、時代は大きく変わった。テスラ株が期待先行で買われすぎているという面もあるが、むしろ数十年後に車のエンジンがなくなる世界を株価は織り込みはじめたと考えている。これまでの成功モデルや価値観が陳腐化する可能性を意識して、変化を恐れず行動し、人生を楽しんでいきたいものだ。

富士レイクサイドCC

2020/06/05

お客さまサポート

当社も3月初旬からリモートワークを推進している。コロナ収束後も基本的にお客様サポートは、リモート中心で活動していく予定である。先日、一度もお会いしたことがない方(お客さまからのご紹介)が、3度のZoomミーティングでお客様になった。はじめましてから運用プランのご提案、証券口座開設、そして運用商品購入をオンラインでサポートした。また確定拠出年金の運用に関してもアドバイスして、実際にプラン組み替えをサポートし、とても喜んでいただいた。昨年の今頃、肉離れで足を引きずりながら活動していたこととは大きな違いである。

お客さまからのご紹介だったからこそスムーズであったことは間違いないが、そもそも当社の新規のお客様は、ほぼ100%がご紹介である。だからこそ今回の経験からリモートワークの可能性を感じているところ。

【お客さまへ】
そんなことでメール、LINE、メッセンジャー、電話、Zoom、Teams、Google Meetなどオンラインでお客様のご相談、ご質問に対応させていただきます。資産運用相談だけでなく、住宅ローンや生命保険、確定拠出年金などお金の相談であれば、できる限り対応いたしますので、遠慮なくおっしゃってください。また周りに困っている方がいれば是非、当社の資産運用サービスをご紹介ください(笑)

さて、コロナで世界は、大きく変わった。
日本は、少し落ち着いてきたものの、まだまだコロナ前の日常とは程遠い。独特な空気に包まれる世界であるが本日、私は50歳になった。このあいだまで30代だったはずなのに、人生はあっという間である。毎年来る誕生日にあまり興味はないが、2020年という節目に50歳を迎えた今日という日は、何となく節目のように感じている。うれしくはないが、身が引き締まるそんな気持ちである。

確かに今回のコロナは、ピンチであるが、私自身は、これからの人生について深く考えるいい機会となった。これからの人生を生きていくうえでこの経験をポジティブにとらえ、お客様や家族、友人らと逆境を乗り越えていきたい。

個人も会社も国家もピンチの時こそ真価が問われる。逆境を乗り越えた人、会社、国家は、さらに強くなる。私自身も年齢とともに体力は衰えているものの、精神力はますます強くなっていることを実感している。タレブのいう『反脆さ』を発揮することが理想である。

あらためて私の仕事は、ファイナンシャルアドバイザーであり、お客様の大切な資産を預かる仕事である。今回のコロナショックは言うまでもないが、マーケットに多大な影響を与えている。当社のお客様のポートフォリオも当然、影響を受けているが、投資をやめる人は一人もいない。むしろピンチはチャンスととらえ、多くのお客さまが追加投資を実行し、長期投資を継続している。本当に素晴らしいお客様に出会えたことをうれしく思っている。

長期投資の継続は、忍耐を要する。正しいやり方で投資を継続し、大きく下落する局面で忍耐力を発揮する投資家が大きなリターンを手にするのだ。

収入がなかなか増えない時代に、人生を豊かにするために長期投資は大きな武器となる。ただ人生と同様にいつも順風満帆ということはないのだ。

コロナで大暴落したマーケットは3月中旬から下旬にかけて底を打ち、各国中銀の金融緩和と各国政府の巨額の財政出動がサポートとなり回復基調にある。リーマンショックで金融市場が崩壊した状況とは対照的に金融市場は安定を保っているのだ。当然、実体経済は最悪でこのような危機下において企業収益は大きくぶれるためPERやPBRなどファンダメンタルズはあまり役に立たない。よって今の株価水準が正当かどうか?は誰にも分からない。

だから素人に毛の生えた程度の個人投資家がなんとなく個別株を売ったり買ったりするのは、ほとんどギャンブルであり、成功の見込みは極めて低い。今こそ、賢明な投資家は、質の高いファンドによる適切な分散投資をポートフォリオの基本に置くべきである。

単に長く投資すれば良いわけではない。コロナで世界経済が元に戻るまで4,5年は覚悟しなければならない。これまでの常識が通用しない時代である。企業も国家も個人も変化に対応しなければならない。

2020/03/11

大底はどこか?

リーマンショック以来の緊張がマーケットを覆っている。私自身、リーマンブラザーズが史上最大の破綻をした2008年9月15日以降の半年間のマーケットは、お客様の大切な資産をお預かりする立場としては、まさに地獄のような日々であった。

さて、そのリーマンショック後のセリングクライマックス(大底)は、11年前の2009年3月10日であった。

2009年3月10日の日経平均終値は、7054円。

3月9日NYダウの終値は、6547ドルに急落。これを受けて日経平均株価は、大底となる7054円をつけたのだ。

その後、各国中央銀行の金融緩和、中国政府や各国政府の巨額の財政出動によってマーケットは、回復基調に戻っていったのだ。

さて、今回のコロナショックに関してはどうか?従来のマクロ政策には金融、財政ともに政策余地は乏しく、かなり限定的であることは明らかである。

今週月曜日、2020年3月9日のNYダウは、史上最大2000ドル超の下げを記録し、終値は23851ドル。

2020年3月9日の日経平均は、1年2か月ぶりに2万円を割り、終値は1万9698円。

NYダウは、3月10日大幅に反発し、日経平均も一旦、下げ止まった。

まだまだ予断を許さない状況であることは間違いないが、先週から続いているパニック売りに一旦歯止めがかかった形である。

コロナの感染やロシアやサウジの動向に左右される原油価格、米国金利の低下による為替の動きを注視することが必要で、未だセリングクライマックスといえる雰囲気ではないが、リーマンショックから半年後の2009年3月9日の大底、そして今回も2020年3月9日のNYダウが大底となることを期待したい。

当社のお客様からは昨日から多数ご連絡をいただいており、昨日は通算5時間以上お客さまと電話でお話した。今の現状について私のオピニオンを正確にお伝えしたいと考えている。

皆さん、もちろん大きな下げに驚きはあるものの、概ね冷静で余力のある方はたんたんと追加投資を継続していただくことを確認した。もちろん大底がどこになるか?は分からない。(3月9日であってほしいが。)しかし、中長期の視点でみると現在の水準は、追加投資の良いタイミングと考えている。ただ気をつけていただきたいのは、バランスの取れたポートフォリオにおいて債券を売って株を買うことによってポートフォリオバランスを変更するような追加投資はあまり良くないと思う。株式の比率を高めることでよりリスクを高めることになるからだ。

あくまでも追加投資は、計画された無理のない金額で実行していただきたい。私のポートフォリオもすべての投資家と同様に大きく下げているが、全く気にならない。将来、戻るとわかっているからだ。これまで通り、自動的に積立投資が実行されていくだけである。自分のお金は全く気にならないが、お客様のお金が一時的とはいえ減ることは心が痛い。リーマンショックの時の気持ちを思い出すし、何度経験しても慣れないものだ。

大底はどこだ?というテーマであるが、正直、分からない。大底で運良く買える人もいる。当社のお客様で2009年3月10日に追加投資を実行した人がいたが、それはあくまでも偶然である。

よって当初の運用計画に従ってたんたんと運用することが重要である。当社のお客様の多くが、まだ現役でお仕事をしている方々であるが、リスク許容度の高い方は、追加投資を実行していくべきである。遅かれ早かれコロナが終息すればマーケットは落ち着いていく。ここまで感染が拡大すると株価が急回復とはいかないと思うし、大底はまだ先かもしれない。しかし時間をかけて回復基調に戻ることは確実であり、このような危機の中での冷静な投資行動は中長期では報われることは間違いないだろう。

退職されているお客様は、追加投資はなかなか難しい。よって現在のポートフォリオがマーケットが回復した時にしっかりと反発するものかどうかの確認が必要である。マーケットが回復しても、価格が戻らない資産は売却するべきである。

コロナ後の世界は、大きく変わりそうだ。テレワークやリモートワークは、コロナ後も定着するし、クラウドコンピューティングや5G、コロナのワクチンも開発され、世界はますます進化していく。

リスクオフで世界の株は売られ、先進国の国債など安全資産に一旦、逃避した。(質への逃避)しかし、いつの時代も金利のない安全資産にいつまでもお金が置かれることはない。

このお金がコロナ後にどこに流れていくのか?

それは時代の変化に柔軟に対応できる企業であり、世の中の課題を解決できる企業である。そのような視点を持ってコロナ後に備えたい。

個人的に今回のコロナショックは人生で3度目に大きな試練と位置づけたい。

第一の試練 2006年~2007年 急性リンパ性白血病で本当に死にそうになった時

会社を辞めてリハビリしつつ独立後まもなく

第二の試練 2008年~2009年 リーマンショックで経済的に死にそうになった時

第三の試練 2020年~     コロナショック

過去を振り返ると

1997年~1998年、アジア通貨危機(マレーシア在住時)
2001年9月11日のNY同時多発テロ事件
2011年3月11日の東日本大震災
2019年5月の肉離れ(筋肉断裂)

の時期もつらかったが、それらの時期とは比較にならないくらい、今回は厳しい戦いになるかもしれない。しかし、私もショックを乗り越えるたびに強くなっている。
ニコラス・タレブの『反脆弱性』にある『反脆さ』を今こそ発揮する時である。

昨日、30代の女性のお客様に電話で現状報告をして、最後に
『ファイナンシャルアドバイザーの私にとっても人生の大きな正念場であり、当社のお客様を全力でサポートして、この試練を乗り越えていきたい。』とお話しすると、

『中浜さん、頑張ってください!応援しています!』と力強い言葉で逆に励まされ、勇気をいただいた(笑)ご本人も大変な時であるにもかかわらず、実にありがたい。

当社のお客様は、本当に素晴らしい。

全てのお客様と一緒にこの試練を乗り越えていきたい。
伊勢神宮 内宮にて

2020/03/09

真価が問われる時

コロナウイルスの世界への感染拡大とともに、世界のマーケットは、リスクオフ全開で売りが売りを呼ぶパニック状態に陥っている。確かに大変なウイルスには違いないが、未知のウイルスに対する人間の過剰な反応が事態をより悪化させている。行き過ぎた悲観が世界に蔓延し、悪いスパイラルにはまっているようだ。

皮肉なことに発生源となった中国の上海総合指数は比較的落ち着いて推移しているが、日米欧含め先進国、インドやブラジルなど新興国市場も総崩れ、NY原油先物価格は、サウジアラビアの増産姿勢を受けて一時28ドル/バレルをつけた。為替も一時、1ドル101円台まで円が急伸。NYダウ先物も一時5%の大幅安の展開でまさにリスクオフでマネーが逆流。今後のリセッションを織り込むような展開となっている。

リーマン・ショック同様にコロナ・ショックもまたブラックスワンとして歴史に刻まれることは間違いない。

当社のお客さまからも様々な問い合わせがあり、個別に対応させていただいているが、このような状況では静観すること、追加投資の余力がある人は、長期投資を前提に買っていっていい。短期で考えるのであれば、ギャンブルなのでやめたほうがいい。

皆さんから質問があるがコロナウイルスがいつ終息するのか?マーケットのパニック状態がいつまで続くのか?について正確に予測することは困難である。1カ月で落ち着くかもしれないし、長引いて半年かかるかもしれない。今後の推移を注視していくしかないだろう。

中国においては湖北省、武漢以外の地域で新たな感染者数(信用できるかどうかは別として)は減少しており、ピークアウトしている。これはいいニュースである。日本においても政府がややバタバタしている印象はあるものの、感染拡大は比較的、抑えられており、よく頑張っているといえるのではないか。韓国やイタリアの感染はより深刻でついにはイタリアでは、握手やハグも禁止されたとの報道も。こんな事態は初めてだろう。

相撲も高校野球も無観客でコンサートなど各種イベントも延期や中止、プロ野球、Jリーグの開幕も延期される見込みで実体経済への影響は日に日に拡大しており、東日本大震災後のような自粛モード全開となっている。

私自身も不要不急な外出は、控えているが、家族など少人数で外食することはできる範囲で継続している。先週も最近、通っている横浜のお寿司屋さんに行ったのだが、大将と話していると中小の飲食店は本当に大変な状況であることは間違いなく、こんな時だからこそ微力ながら応援したいと考えている。企業活動において、多くの会社が売り上げ、利益の減少は避けられない。よってバランスシートがより重要となるわけで、コロナが終息するまで、耐えられるかどうか?生き残れるかどうかがポイントである。まさに経営者としての真価が問われる状況と言えるだろう。

もちろん経営者だけではない。今回のコロナショックは、全ての人において危機である。
思考停止するのではなく、冷静に考え、適切に行動することが大切である。

私自身は、あらためてコロナショックを乗り切るために以下のようなことを心がけている。

・不要不急の外出を避ける。(感染しない、万が一感染しても他人にうつさない。)

・手洗い、うがい、消毒、マスクなど基本的なことを徹底する。

・できる限り、お客さまとテレワークにてミーティングする。
(新規のお客様対応時は、感染に十分注意して訪問する。)

・長期投資を継続していただくために、しっかりとコミュニケーションをとる。

・飲食店には基本、開店時間に行って、食べて、飲んで、お店が込み合う前にサクッと帰る。

・今こそ気力と体力が必要である。自宅の近くでジョギングを開始。自宅で筋トレも開始。

・免疫を高めるため、栄養バランス、睡眠時間に留意する。

・コロナ後を想定し、通勤時間や移動時間で浮いた時間を使って情報のインプットや良書を読むことを徹底する。(Think Smart ロルフ・ドベリ著のような良書)

マーケットは、大嵐の真っ只中で当社のビジネスにも強い逆風が吹いている。当社のお客様の大切な資産も一時的に大きく下がっており、当然ながら、みんな気分がいいはずはない。私もコロナを恨んでいるものの、この危機的な状況をお客様とともに乗り越えていけると確信している。今、やるべきこと、できることをたんたんとやりつつ、コロナ後にしっかりと備えたい。

全ての人、全ての企業や組織、全ての国家の真価が問われる時である。

個人的には、こんな時こそ元気を出して、お客様や周りの人たちを元気にしたいと考えている。
横浜上大岡 鮨処あり多

2020/02/28

お客さまへ

2月27日、NYダウは、史上最大の下げ幅1190ドル安の25766ドルで引けた。

わずか1週間前の2月19日にアメリカの主要株価指数S&P500は、史上最高値3393ポイントを記録した。2月27日の終値は、2978ポイントとなり、1週間余りで12%強の暴落となった。

当然、新型コロナウイルスの影響も大きいのであるが、コロナウイルスをきっかけとしてこれまで堅調に推移していた米国株に利益確定売りが出たことが大きい。まさにリスクオフの展開である。

2018年12月にも米中貿易摩擦の激化やブレグジッドによる混乱で世界経済に不透明感が漂いマーケットは大きく下げたが、2019年に入り、マーケットは回復し、上昇基調を取り戻した。今回は、コロナウイルスによる実体経済への影響がまだ見えないため、2年前の当時よりも回復に時間を要する可能性は高いだろう。

よって株価がすぐに反転する可能性は低い。一方、これまでファンダメンタル面で割高感のあった米国株は、この調整でむしろ割安感が出てきた。日本株に関しては、バリエーション(PER、PBR、配当利回りなど)から見ると、バーゲンセールに近い銘柄も多く出てきた。配当利回りが5%を超える大型株も目立ってきた。

現状のややパニックに近い調整局面においては、ある意味で追加投資の絶好のチャンスかもしれない。もちろんこのような状況で底値で買うことは、難しいが、マーケットはこれまでも大きな下落局面のたびに危機を乗り越えて、上昇してきた歴史がある。

今回の危機は、2020年コロナショックとして記憶されることは間違いないが、やがて終息し、株価は回復し、あらたな上昇を継続していくことは間違いない。

2019年1月に当ブログ『下落局面における心構え』について見解を述べたが、今回も全く同様のことをお客様にお伝えしたいと考えている。誰もがこのような局面は、気分も良くないし、経験したくないものであるが、長期投資において、このような局面を何度も乗り越えていかなければならない。これがリスクであり、リスクがあるからこそリターンが生まれるのだ。特に投資経験が浅い方は、下がったところで売却して投資をやめる行為は、避けていただきたい。

オリンピックを控えた日本は、コロナに対して他国よりも神経質にならざるを得ない面があり、実体経済はしばらく厳しい状況が続くことは間違いないが、こういう時こそ冷静に対応し、試練を乗り越える必要がある。個人的にも東京オリンピックが無事に開催されることを願っている。

2020年は、激動の1年だったけど年末には、いい年だったといいたいものだ。

*最後にお客さまへ

今回のマーケットの急落に関して、あるいは運用に関してご質問のある方は、遠慮なくご連絡ください。メールでも電話でも個別でしっかりと対応させていただきます。

伊勢神宮にて

2020/02/27

ミケランジェロに学ぶ

日本の祭日であった今週月曜日、新型コロナウイルス拡大の影響で世界の株式市場は大きく崩れた。連休明けの日本の空気は一変し、コロナ感染拡大によってオリンピック開催中止のリスクも浮上してきた。日本経済にとっては大きな試練であることは間違いないが、このような時こそパニックや思考停止に陥ることなく冷静に対処しなければならない。

新型コロナウイルスに対する日本政府の対応は、リスクマネジメントの観点からアメリカと比較すると決して十分ではないし、甘いと感じる。ゴーンに逃げられたようにどこか甘いのが日本である。ただ新型ゆえに分からないことばかりで、完璧な対応など存在するはずもなく、政府や厚労省を批判したところで何も問題解決されるわけではない。今は誰かを批判するのはやめて、個人として企業として政府として、それぞれの立場で、やるべきことをたんたんとやっていくしかないだろう。

さて最近、読んだ書籍『Think Smart』ロルフ・ドベリ著は、とても良い本であった。人生に経営に投資に役に立つヒントがたくさん書かれている。その冒頭に紹介されていた以下のくだりは本質をついている。(以下抜粋)

ローマ教皇がミケランジェロに尋ねた。

『あなたの才能の秘密を教えていただけないでしょうか?あなたはどのようにダビデ像をつくりあげたのですか―この傑作中の傑作を?』

ミケランジェロはこう答えた。

『とても簡単です。ダビデではないものを、すべて排除したのです。』

中略

私たちの日常に当てはめていえば、思考や行動の誤りを排除すれば、よりよい行動が自然にできるようになるというわけだ。

このような考えは資産運用の世界でも効果的である。先行きが不安になり、慌てて売ったり、コロナ関連銘柄に飛びついたりする人が報われることはない。いい銘柄を見つけることではなく、愚かなミスを排除することが投資で成功するためにも重要である。中長期の視点でいえば、このコロナ騒ぎがどれくらいの時間を要するか?はまだ見えないものの、遅かれ早かれ、やがて終息する。

業績の良い企業の株価もこのような局面では、下がるかもしれないが、事態が収束すると良い企業の株価は上昇する。ただし、いつ株価が下がって、いつ反転するのか?は誰にも予測不能であり、タイミングを当てようとするのは愚かである。だからこそ、適切に分散されたポートフォリオと質の高い投資信託を保有することが大切である。

この二つを備えている投資家は、何も考える必要はなく余計なことをしないことである。
当初の計画通りにたんたんと運用を継続していくことが、将来リターンとなるのだ。感情にふりまわされて間違った思考や行動が失敗の原因となるのだ。下落局面において多少のストレスを感じることもあるだろう。そのようなストレスに耐えられない人が多いため、日本には賢明な投資家が少ないのだ。長期投資は、人生同様いつもいいことばかりではない。このような局面にこそ、じっと耐えることが必要である。

当社のお客さまには、常々お伝えしているが、今、適切なポートフォリオを維持しているのであれば、タイミングを見て売ったり買ったり、何か特別なことをやる必要は全くない。やるべきお仕事に集中していただき、たんたんと長期投資を実行していくのみである。

2020/02/13

お客さまと運用会社をつなぐ

2020年2月現在、中国本土を中心とした新型コロナウイルス拡大による世界経済への影響が懸念されるが、意外にもNYダウやナスダックが史上最高値を更新するなどマーケットは、好調である。当社のお客様は、今回の状況において冷静そのもので慌てて投資信託を売却する人は、一人もいなかった。実に素晴らしいことである。当社としても創業以来、お客様にBUY&HOLDを言い続けてきた。あのリーマンショックの時でさえ、BUY&HOLDを徹底してきた。あらためて今回もまた、正しい方法で長期投資を継続することの重要性を再認識した次第である。

日経平均はリーマンショック後の2009年3月10日の底値7,054円から23,800円台(本日時点)まで上昇しており、2010年当時、当社のお客様にご投資いただいた日経225に連動する投資信託は、3倍以上に増えている。1000万円の運用で3000万円超となっているのだ。

多くの人が資産運用で100万円増えると嬉しいかもしれないが、100万円増えたところで、その人の人生に大きな影響はない。しかし、資産運用で1000万円、3000万円、5000万円、1億円増えるとその人の人生を豊かにすると考えている。

当社は、お客様の資産を100万、200万増やすために活動しているわけではない。全てのお客様に長期で最低1000万円以上のリターンを獲得していただきたいと考えている。

そのためには、やはりお客さまにも最低1000万円の投資資金を確保していただくことが重要である。目標利回り6%で12年運用すれば、1000万円は2000万円となる。実際に当社で10年以上運用していただいているお客様の資産は、当初から2倍以上になっている。BUY&HOLDで多くのお客様が10年超の運用で数千万円超のリターンを獲得しているのだ。

もちろん、ただ長期投資すれば良いという単純な話ではない。資産配分とファンドの銘柄選択がこれまで以上に重要性を増してくるだろう。

例えば一例であるが日本株インデックスにおいても日経平均とTOPIXでは近年、運用成果は大きく異なっている。TOPIXは、日経平均に大きく劣後しているのだ。日本人の多くは、当然ながら日本経済の影響を受けるため、当社は、お客様のポートフォリオにあまり日本株を多く配分しない、あるいは組み入れない場合も多い。日本人が日本株をたくさん持っていること自体が、リスク分散とならないからだ。日本株をポートフォリオに組み入れる場合も、TOPIXは外して日経平均を組み入れるということを徹底している。そのような選択が、お客様の資産価値を長期で高めていくと考えている。

多くの人は、未だに金融機関の営業マンに勧められるがままによくわからない投資信託を購入している。残念ながら、そのような判断が報われる見込みは極めて低いだろう。

日本国内に6000本以上の公募の投資信託があるが、本当に良い投資信託はごくわずかである。

では本当に良い投資信託とは何か?

運用会社、運用チーム、運用哲学、運用体制、運用実績などをしっかりと見極めていくことが大切である。

当社は、運用会社とのミーティングを通じて、お客様の大切な資産がしっかりと運用されているか?を定期的に確認している。それなしには安心して夜もぐっすり眠れないからだ。素晴らしい運用会社は、長期投資家とつながる私たちファイナンシャルアドバイザーとのミーティングを重視し、大切にしてくれる。

お客様(長期投資家)と素晴らしい運用会社(本当に少ない)をしっかりつなぐことが、私たちの大切な仕事である。

CASA MILA

2020/01/18

2020年の最大リスク

今年は、元旦から妻と娘と富山でゆっくりと過ごした。氷見の寒ブリ、宇奈月温泉、ガラス美術館などを満喫して我が家の2020年はスタートした。留学中の息子は、冬休みを利用してバックパックでアトランタ、ワシントンDC、ニューヨーク、マイアミ、オーランドを一人で周遊して、正月はマイアミビーチのドミトリーで世界各国の若者たちと過ごしたようだ。先日、大きなトラブルもなく無事にウィスコンシンに戻った息子に『どこか一番良かった?』と聞くと、ワシントンDCのトーマス・ジェファーソン記念館とアトランタのキング牧師の記念博物館に特に感動したようだ。フロリダのケネディ宇宙センターやユニバーサルスタジオよりも、歴史好きにはそっちのほうがいいらしい。

またワシントンDCでは、我が家に3年前にステイした宇宙飛行士の卵、クリス(本人は南極で仕事中で不在であったが)の実家に5日間お世話になり、あたたかいアメリカの家庭でクリスマスを過ごすことができたことは印象に残っているようだ。ニューヨークでは、友人のジェイミーがNYCを歩いてくまなく案内してくれ、ドミトリーで知り合った世界の若者らとも交流して楽しんだようだ。

息子によると、ワシントンDCとニューヨークは、治安が非常に良いが、アトランタとマイアミは、治安が悪いエリアもあり、マイアミのダウンタウンに近いリトルハバナのストリートでは黒人同士の喧嘩が始まり、走って逃げたとか。息子は、旅行中に19歳の誕生日を迎えたのだが、我が子ながらいい度胸をしている。

今年も家族一同、健康第一に、楽しくアクティブな1年を過ごしていきたいものだ。

さて2020年は、東京オリンピックそしてアメリカ大統領選挙の二大イベントが控えているが、やはりマーケットへの影響という意味においては、アメリカ大統領選挙の行方が最も気になるところ。トランプ再選となると、これまでのように選挙で勝つことを意識する必要はなくなり、これまで以上に暴走する可能性は高い。これまでは選挙で勝つことしか考えていなかったため、ある意味で暴走の歯止めになっていたのだ。

それにしてもアメリカ大統領が世界経済の最大リスクとは、何とも笑えない話であるが、これまでにトランプがやりたい放題した結果、側近や取り巻きには、もはやYESマンしか残っていないのだ。トランプの暴走に歯止めがかからなくなり、イランのソレイマニ司令官殺害のように、トランプがやりたい放題やることが個人的には実に怖い。残念ながら今のところ民主党内に大統領にふさわしい人物は見当たらず、アメリカ政治においても人材不足による政治リスクはこれまで以上に高くなっている。誰が大統領になったとしてもアメリカ政治は不安定な状態が続き、マーケットは政治に振り回されるだろう。政治には期待できない。あらかじめ、そのように考えておいたほうが良いと思う。政治リスクがある一方でマーケットは、今年も比較的強く推移すると個人的には予想している。一番の理由は、アメリカの長期金利が低位で推移しており、この状態が長引くことで、株価をサポートすると考えている。もちろん楽観するわけではないが悲観する必要は全くないと考えている。

投資家としての心構えであるが、マーケットの短期的な変動に一喜一憂しないでたんたんと運用計画に従って運用を継続することが重要である。このことを今年も言い続けていきたい。2020年も激動の一年になりそうである。気を引き締めて楽しんでいきたい。
アートディレクターのお客さまからいただいた年賀

Bostonでインフレを実感

  昨年7月に続いて先週プライベートで ボストンに一週間程度滞在したのだが、あらためてアメリカのインフレと円安ドル高を実感した。昨年よりも確実に物価は高くなっていた。 まず家族4人でノースエンドのイタリアン人街にあるTrattoria I’ll Paninoに行った時のこと。 炭...