わずか1週間前の2月19日にアメリカの主要株価指数S&P500は、史上最高値3393ポイントを記録した。2月27日の終値は、2978ポイントとなり、1週間余りで12%強の暴落となった。
当然、新型コロナウイルスの影響も大きいのであるが、コロナウイルスをきっかけとしてこれまで堅調に推移していた米国株に利益確定売りが出たことが大きい。まさにリスクオフの展開である。
2018年12月にも米中貿易摩擦の激化やブレグジッドによる混乱で世界経済に不透明感が漂いマーケットは大きく下げたが、2019年に入り、マーケットは回復し、上昇基調を取り戻した。今回は、コロナウイルスによる実体経済への影響がまだ見えないため、2年前の当時よりも回復に時間を要する可能性は高いだろう。
よって株価がすぐに反転する可能性は低い。一方、これまでファンダメンタル面で割高感のあった米国株は、この調整でむしろ割安感が出てきた。日本株に関しては、バリエーション(PER、PBR、配当利回りなど)から見ると、バーゲンセールに近い銘柄も多く出てきた。配当利回りが5%を超える大型株も目立ってきた。
現状のややパニックに近い調整局面においては、ある意味で追加投資の絶好のチャンスかもしれない。もちろんこのような状況で底値で買うことは、難しいが、マーケットはこれまでも大きな下落局面のたびに危機を乗り越えて、上昇してきた歴史がある。
今回の危機は、2020年コロナショックとして記憶されることは間違いないが、やがて終息し、株価は回復し、あらたな上昇を継続していくことは間違いない。
2019年1月に当ブログ『下落局面における心構え』について見解を述べたが、今回も全く同様のことをお客様にお伝えしたいと考えている。誰もがこのような局面は、気分も良くないし、経験したくないものであるが、長期投資において、このような局面を何度も乗り越えていかなければならない。これがリスクであり、リスクがあるからこそリターンが生まれるのだ。特に投資経験が浅い方は、下がったところで売却して投資をやめる行為は、避けていただきたい。
オリンピックを控えた日本は、コロナに対して他国よりも神経質にならざるを得ない面があり、実体経済はしばらく厳しい状況が続くことは間違いないが、こういう時こそ冷静に対応し、試練を乗り越える必要がある。個人的にも東京オリンピックが無事に開催されることを願っている。
2020年は、激動の1年だったけど年末には、いい年だったといいたいものだ。
*最後にお客さまへ
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伊勢神宮にて |