マーケットが堅調である。
各国中央銀行の金融政策、各国政府の財政出動に加えて、やはりワクチン効果は大きい。
コロナ感染者数で世界ワーストのアメリカであるが、ワクチン接種がすすんでおり、7月後半にはアメリカ国民が2度、摂取できるワクチンを確保できるとバイデン大統領は表明した。
16歳以上のアメリカ国民のワクチン摂取が進み、年内にも集団免疫を獲得する見込みである。
各種景気指標からも明らかであるがアメリカ経済の回復基調は鮮明となっており、10年国債の利回りも1.3%と上昇した。もちろん、インフレ、金利の急上昇、コロナの感染再拡大には警戒が必要であるが、FRBパウエル議長は、しっかりと先手を打ち、2023年末まで利上げをしない意向を明らかにしている。さらにバイデン政権の財政出動は、世界最大の経済大国アメリカのGDPの約9%と巨額である。
また世界第2位の中国経済も好調。コロナの影響から世界で最も早く抜け出し、巨額のインフラ投資を加速させている。鉄鉱石や原油価格も上昇基調で、コモディティの価格もじわじわと上がっている。ドル高を受け金価格は下落基調で実体経済の回復とともに銅やニッケルも上昇気配。もちろん米中摩擦には引き続き警戒が必要であるが、米中2つの大国の経済が好調に継続する流れは確実であり、株式市場には今後も追い風が吹きそうである。
資産運用で成功体験の少ない日本では、株があがってもマーケットに悲観的な見方も多いが、世界をみれば大きな変革の時代であり、新しいスター企業が次々と誕生しており、数々の投資機会(チャンス)があると考えている。マーケットの予測は難しいが、個人的に今年は、いい流れが継続すると考えている。
さて当社は、日々、マーケットとお客様の資産の動きを観察しているわけであるが、あるお客様の運用状況を確認して資産運用のパワーにあらためて驚いた。
5年前の2016年1月25日にお客様にある投資信託1本に1億円ご投資いただいた。以来、殆ど何もしないでBUY&HOLD。そして5年が経過した本日の残高は、初めて2億円を超えたのだ。そのお客さまが、数年前におっしゃった言葉が今も印象に残っている。
『M銀行の定期預金の金利は0.01%で1億円預けても年間の利息は1万円。利息にかかる税金を控除すると8000円。中浜さんの薦める投資信託のほうが成績が良いね(笑)』*現在は、0.002%なので利息2000円、税控除後、1600円。
当時、お客様は、購入時の手数料や信託報酬という投資信託の運用コスト、そして価格変動リスク、為替リスクなどをご理解いただいた上で、ご提案した商品に投資する価値があると判断してくださった。
結果的にわずか5年で1億円が2億円になった。ギャンブルではなく、リスクを抑えながら運用力でリターンを積み上げたのである。個別銘柄や仮想通貨で2倍になったわけではなく高度なリスク分散によるものである。72の法則によると、5年で元本が倍になったということは、72÷5年=14.4%。つまり年率換算で14.4%で運用されたという事である。
年率14%という数字は同期間の世界株インデックスを大きく上回っていることはもちろんである。世界の優良企業のROE(自己資本利益率)に匹敵するリターンを獲得していることは、あらためて驚きである。
ファイナンシャルアドバイザーとしてお客様に喜んでいただくには時間(忍耐)が必要である。運用資産が2倍になればお客様は、喜んでいただけると思うが、やはり運用金額が大切である。100万円が200万円になるよりも3000万が6000万、5000万円が1億になるほうがいいに決まっている。いい商品を長期保有する。時間を味方につけて資産運用のパワーを最大限に生かせば経済的な不安はなくなるはずである。
当社のお客様の多くは長期投資の継続による運用益(含み益)で経済的な将来不安が年々、軽減していることを、実感していただいているようだ。
とはいえ、まだまだ先は長い。これからが本当の勝負である。気を引き締めていきたい。