東京オリンピックが無観客となったが、この決定には、率直に驚いた。意思決定のプロセスも含めセンスのない判断に日本の未来は明るくないことを確信した。
コロナ禍における政府や東京都含め地方の首長らの場当たり的な対応には呆れを通り越して哀れみさえ感じている。ただただ情けないとしか言いようがない。私自身、国民の義務は果たしたいが、この国の政治家や役人とは、できる限りかかわりをもちたくないと感じる。
オリンピック大会関係者や日本選手含め世界から参加する選手は、どのような気持ちなのだろう?ワクチン接種の遅れも、オリンピックを無観客にしたことも愚かな政治家らの責任である。みんなのいう事を聞いて、その場の感情に流されて中途半端な判断をするような政治は最悪であり、極めて危険である。
コロナとオリンピックで日本の愚かな政治が露呈したわけであるが、世界における日本の地位は、想像以上に低下しているのだろう。急速な高齢化社会、社会が極めて不安定な中で、特に若い人たちは、どのように人生設計をしていくべきなのだろう。自分自身の人生を実りあるものにするために、国に依存することは不可能であり、自ら人生を切り開いていく『強さ』が一人一人に求められている。
さて今、日本で一番輝いている人物は、大谷翔平だろう。沈滞ムードが漂う日本社会を一人の若き日本人メジャーリーガーが明るくしている。日本だけではなく、アメリカ、世界を熱狂させている大谷を見ていると、国や企業ではなく、いよいよ個の時代が到来したことを感じずにはいられない。
ひと昔前、1980年代のアメリカでは日本と言えば、SONYやTOYOTA、HONDAといった企業をイメージした人が多かっただろう。世の中は大きく変わり、アメリカでは日本と言えば、大谷翔平が連想されるだろう。
もちろん大谷だけではない。マスターズで優勝した松山や女子ゴルフLPGAで活躍する畑岡、NBAで活躍する八村瑠偉、ボクシングの井上、テニスの大坂なおみは、それぞれのフィールドで世界のトップレベルで活躍している。彼らはアスリートとして生まれ持った才能に恵まれていることは間違いないが、自分の選んだ道で想像を絶する努力を積み重ねているからこその結果である。
努力を怠れば世界トップの座からあっという間に落ちてしまう極めて厳しい世界で彼らは、リスクをとって結果を出している。大谷といえども一寸先は闇であり、怪我をしてしまうと選手生命は絶たれてしまう。そのような中での二刀流の活躍にイチローや松井らレジェンドでさえも驚愕しているのだ。リスクもとらない、結果も出さない、責任もとらない日本の政治家らと実に対照的である。あまりここで政治家批判しても仕方ないが・・・。
良くも悪くもこれからは、個の時代であることは間違いない。日本政府や役人がダメでも、大谷や将棋の藤井君は素晴らしい。有名人でなくても各分野に個として輝いている人はたくさんいるだろう。最近、仕事に未来を感じないという理由で若い官僚が辞めているらしいが、国に見切りをつけて個として輝くことを目指している動きだろう。石の上にも3年というが最近は、時代の変化が激しく優秀な人材ほど未来のない仕事には早く見切りをつけるのかもしれない。私自身、芸能界には全く興味がなく、YouTubeも見ないが、芸能事務所を辞めてユーチューバーになることも、企業や組織よりも個人が重視されはじめた証なのではないか。
高度成長期には大きな船に乗っていれば安全であった。しかし成熟した時代においては、大きな船は、安全とは言えない。大きな船ほど沈み始めると大惨事になりかねない。もちろん小さな船も安全ではないが、個人の工夫や努力次第では変化に柔軟に対応することが出来て大きな成果を上げることが可能である。大きな組織に属さない私にとっては、楽しい時代になってきたとポジティブに考えている。